結婚できない不安から鬱や適応障害になってしまったとき

結婚を夢みているのになかなか実現できないと、だんだん不安になってくる。昔は適齢期になると近所の人がお見合い話しを持ってきてくれたものだが、近所付き合いの乏しい都会に住んでいると、ひとりぼっちのままだ。

そのため、近年では、結婚できない不安を抱え込んでうつ病になる人が増えている。うつ病になってしまったことで、さらに「うつになってしまうと結婚できないのでは？」と不安を募らせて泣いている人もいるかもしれない。

そこで、うつ病や適応障害になると結婚できないのか、結婚は諦めた方がいいのかどうかについて詳しく解説する。

結婚できない不安でうつ病になる人が増えている

近年では、結婚できない不安でうつ病になった人が増えている。

結婚コンシェルジュサービス「Pairsエンゲージ」が2019年に、昭和生まれで未婚のまま令和を迎えてしまった30~39歳の男女に行ったアンケートでは、婚活に取り組んでいる人の53.7％が「自分自身の結婚に対してプレッシャーを感じている」と答えている。

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また、ファッション雑誌CanCanのwebサイトであるCanCan.jpが、2018年に20~40代の女性154人に行ったアンケートでは、30％の女性が両親からの結婚に対するプレッシャーを感じる、と答えている。

CanCan.jp

このアンケートによると、「同級生の〇〇が結婚したよ」「孫の顔が早く見たい」「彼はいないのか」「結婚相談所に入会して欲しい」「今の彼とは結婚しないのか」など、実にさまざまな形で結婚に対するプレッシャーを与えられている。

自分でも内心焦っているところに親からのプレッシャーも加わり、1人になると不安が募ってしまうようになるのだ。さらに、近年ではコロナ禍で外出が思うようにできなくなり、合コンや婚活パーティなどの出会いの場が減ってしまい、不安が加速しているケースが増えている。

結婚相談所マリーミーの代表・植草美幸さんによると、コロナ過で「うつのような症状がでているが、結婚できるだろうか？」という問い合わせが増えているそうだ。

「友だちと騒ぐ」などのストレス発散の場も減っているため、不安がどんどん募ってしまい、うつや適応障害になってしまうのだ。

では、うつになるとどのような症状が出てくるのだろうか？詳しく見てみよう。

うつ病になると泣くことが増える

うつ病になると幸せを感じられなくなり、感情がコントロールできなくなってすぐに泣くようになるのだ。初期症状は、泣きやすくなる以外にも次のようなものがある。

心の症状

身体の症状

うつ病は発見が遅れれば遅れるほど、回復に時間がかかる。もしも、「結婚できないことを考えると泣くことが増えた」と感じる場合や、上記に挙げた症状に心当たりがある場合は、早急に精神科や心療内科の専門医の診察を受けることをおすすめする。

病院に行くのが恥ずかしい、人に見られたら嫌だ、これくらい誰にだってあるだろう、などと思って病院に行くのを延ばしていると、うつ病が悪化してしまう可能性があるので、できるだけ早く、受診しよう。うつが治れば、結婚に対しても前向きに考えることができるようになるだろう。

結婚できない不安でうつ病、適応障害になるなら諦めた方がいい？

不幸にしてうつ病や適応障害になってしまった場合は、もう結婚できないのだろうか？

ハードルが高くなるのは本当

うつ病になっても結婚した人は大勢いる。うつ病になったから、と結婚を諦める必要はない。ただし、うつ病などの疾患がない人に比べると、ハードルが高くなるのは本当だ。例えば、出会ってすぐに自分がうつ病であることを告白すると、それだけで引かれてしまう可能性は高いだろう。

だが、相手がうつ病になっても別れずに結婚した人がいるのも事実。相手の人柄に惚れた、病気でも支え合って生きていけばいい、と考える人もいるのだ。

自分や家族にうつや精神疾患の経験があって、理解がある人もいる。自分に経験があるからこそ、相手のつらさがわかり、支えてあげたい、と考える人もいる。そういう人に巡り会えた場合は、結婚にたどり着くことも可能なのだ。

婚活する場合の注意点

うつ病の人は、うつになったから結婚できない！と思い詰めずに、まずは治療を心がけることをおすすめする。

もう治療中、すぐには治らないが結婚はしたい、という場合は、相手にうつ病であることを隠すのはやめた方がいい。付き合いが長くなってから発覚すると、裏切られたと感じてトラブルに発展する危険性がある。

また、婚活はストレスを感じることも多いため、うつが悪化する恐れもある。うつ病での人が婚活する場合は、医師に相談し許可を得てから行おう。

うつ病＝結婚しない方がいい？

だが、リスクを抱えてまでその人と結婚はしたくない、と思う人もいる。そう思う人は、うつ病の人は結婚しない方がいい、と考えるのだ。

もう1つの原因に、薬のリスクがある。抗うつ剤を飲んでいると、妊娠に悪影響を与えるのではないか、と思われるのだ。

男性の場合は、抗うつ剤が生まれてくる子どもに悪影響を与えることはほぼない、と考えられている。どちらかというと、抗うつ剤の影響で性機能障害がでることが問題であるため、薬を変えてもらうなど、主治医と相談することで解決できる。

女性の場合は、胎児に影響が出る薬を飲んでいて妊娠した場合のみが、心配だ。だが、妊娠の可能性があるとはじめからわかっており、胎児に影響が出ない薬に変えてもらっておけば問題はほとんどない、と考えられているので安心して欲しい。

抗うつ剤を打つよりタバコを吸う方が胎児に与える悪影響は強い、と言われているくらいなのだ。

逆にうつ病の人が、「妊娠したいから」「妊娠したから」と言って薬をやめるのは危険だ。妊娠するとホルモンバランスが乱れるため、うつ病でなくても体調が悪くなりやすい。

うつ病の人が妊娠中に勝手に薬をやめると、めまいや吐き気、冷や汗、喉の渇きなどの離脱症状（禁断症状のようなもの）が出て、母体に悪影響を及ぼす危険があるのだ。

うつ病の人が結婚する時に問題視される仕事と妊娠は、どちらも対処できるため、うつ病の人は結婚しない方がいい、ということはない。

適応障害になり結婚できるか不安

適応障害とは、強いストレスを感じた時に、心や身体に不調が起こり、日常生活に悪影響がでる状態のことだ。皇后陛下、雅子さまがかかったことで知られている。近年では、女優の深田恭子さんも適応障害で活動を休止している。

適応障害とうつ病は症状はよく似ているが、適応障害は原因となったストレスから離れると改善しやすいが、うつ病は脳の機能に障害が出ているため、ストレスを改善しても適応障害のようには回復しにくいのが特徴だ。

適応障害でも、うつ病と同じく結婚できる。適応障害であることを受け入れてくれる相手がいるのなら、結婚は可能だ。

ただし、できることなら、うつ病と同じく適応障害を治療してから婚活は行うことをおすすめする。適応障害はストレスが原因で起こるが、婚活や結婚はストレスが多い。

結婚をきっかけに適応障害を発症する人も多いため、治療を行ってから婚活や結婚をする方が望ましい。雅子さまの適応障害も、まさしく結婚が原因・きっかけとなっているのだ。

総括：結婚できない不安からうつ病になったとき＝治療が先決

うつ病や適応障害は、今や誰にでも起こる可能性がある病気であることがわかっている。近年では、結婚できない不安が募ってうつ病になる人が増え、さらに、うつ病になったから結婚できないのでは？と悩んでしまう人が増えている。

うつ病や適応障害になっても結婚した人はたくさんいるので、安心して欲しい。ただし、うつ病や適応障害を抱えたままだと、婚活に不利であることは事実だ。また、婚活のストレスでうつ病や適応障害が悪化する可能性もあるので、できれば治療を先に行うことをおすすめする。

結婚できない不安でうつ病になる人が増えている

• 近年では結婚できない不安や周囲からのプレッシャーでうつ病になる人が増えている
• うつ病になることで、さらに結婚できないのではないか、と不安になる人も増えている
• うつ病になると泣くなどの症状がでる
• 長引くと治りにくくなるので、早めに治療しよう

適応障害になると結婚は諦めた方がいいのか

• うつ病や適応障害の人も結婚できる
• ただし、そうでない人よりはハードルは高い
• うつ病を理解してお互いに支え合える人となら結婚できる
• 適応障害になっても結婚は諦める必要はないが、早めに治療することをおすすめ