天涯孤独の相談：窓口は多種多様【積極的に活用すべき】

天涯とは、空の果てや遠く離れた場所のことを指す。これに孤独というキーワードが付け加わると、生まれ育った土地を離れ一人ぼっちで暮らすさまという意味になる。一人の時間が好きとはいえ、身寄りもなく本当に自分だけの状態になると寂しくてたまらないだろう。

そこで今回はそんな天涯孤独な人がどのように行動すれば寂しさがなくなるか、その方法や相談窓口について紹介していく。一人で溜め込んでしまっては病気を引き起こす可能性もある。自分は大丈夫、関係ないと思わずに、心が壊れてしまう前に対処しよう。

天涯孤独の人が相談するには

とにかく誰かに会う

出典：欲しかった暮らしラボ【結果】孤独に関するアンケート

欲しかった暮らしラボの孤独に関するアンケートによると、最も孤独で寂しいと感じるのは体調が悪い時、一人で過ごす時間が長い時だと分かった。そして次に多かったのは誰かに会いたい時と誰かと話したい時だった。ここから天涯孤独な人は誰かに会って話をすれば、その寂しさは和らぐと言えるだろう。

遠方の友達はともかく、新型コロナウイルスの影響で近くに住んでいる友人とも会えない状態が続いている。毎年正月やお盆に会っていた親戚も集まらず、一人暮らしであれば両親とも会えない環境かもしれない。

それならばLINEのビデオカメラ機能やzoomを利用して話をしてみよう。普通の電話よりも相手の表情が見えるため、実際に会って話しているのと同じ体験が出来る。これならば遠い所に住む友達でもスケジュールさえ合えばいつでも会話が出来るだろう。

実際にzoom飲み会というものが流行っている。食べ物や飲み物は自分で用意しなければならないが、一人でご飯を食べるよりも絶対に楽しいはずだ。ただ回線が悪いと途中で画面が止まったりスムーズに進まなくなってしまう。初めてのビデオ通話にトラブルは付き物だと考え、イライラしないようにしよう。心配であれば予定時間より早めに準備したり、何かあった時に対応出来る経験者を一人招待しておこう。

自分の両親や祖父母などの血縁者に話す

でもよく考えてみて欲しい。もし目の前で人が倒れたらどう行動するだろうか。駆け寄って声をかけたり救急車を呼んだり行動を起こすはずだ。その場を無視して立ち去ったり見捨てたりはしない。必要のない人間なんて存在しないのである。

子育ては人生において大きなイベントである。辛い時も苦しい時もあったが、それでも子どもが元気に育ってくれれば両親はとても嬉しいだろう。そのため、孤独で辛ければ両親を頼るべきなのだ。また他の理由として、言葉の重みが違う点が挙げられる。

出典：バンソウストア・コトバグラム

これはコトバグラムというカードゲームである。セリフカードとヒトカードを組み合わせて言葉の重さを当てるゲームだ。例えば、1万円貸して欲しいというセリフがあるとする。これを誰に言うかによって言葉の重さは変わってくる。

親や兄弟にお金を貸して欲しいと言われれば、すんなり貸すかもしれない。何に使うのか理由も聞かずに財布を取り出す人も多いだろう。逆に、全く知らない人にお金を貸せと言われたら1円も貸そうとはしない。これは親や兄弟と全く知らない人の信頼度が違うためだ。

これと同様に天涯孤独孤独な人に対する「大丈夫だよ、一人じゃないよ」といった励ます言葉の重さも誰が発言するかによって受け取り方に差が出てくる。その辺を歩いている人に大丈夫と声をかけられても、適当に言っているだけだと思うだろう。とても軽い言葉になってしまうのだ。

このことからどれだけありふれた言葉でも両親や親戚から言われた方が安心感を得られる。メッセージのやりとりだけでも良いので、この機会に連絡を取ってみてはどうだろうか。

知り合いや仲の良い友達に話す

信頼しているかどうかを基準にすると両親の方が相談しやすいかもしれないが、全ての相談内容がそうとは言えない。どれだけ一緒に過ごした時間が長くても話せないことは一つや二つはある。

出典：Y！ニュース・親子の会話ってどんなことが話されているのだろうか

これは英会話のGabaが行った小中学生の教育とコミュニケーションに関する保護者調査の一部である。小、中学校の子どもを持つ1000人の保護者に対し、子どもと普段どのような会話をしているかアンケートを取った。

すると学校での出来事や友達の話をしていることが多いと分かった。逆に恋愛話などかなりプライベートな話は親としない傾向がある。

天涯孤独な人は、ほとんど学生ではない。学生なら同級生や先生など話す機会が山ほどあるからだ。そうなると先ほどのグラフから親と話す話題の1位、場合によっては3位もなくなってしまう。そんな状況では気軽に親に相談出来ないのではないだろうか。

そこで頼れるのが友人である。親ほど親密ではないが気軽に話せるからだ。親に相談しつつ言いにくい内容は友達にする、これが一番ベストだろう。

先輩や上司に相談する

仕事をしている人であれば先輩や上司に相談してみるのも一つの方法だ。親や友達とはまた違った目線を持っているため、自分の考え方が変わるだろう。幹部になればなるほど毎日の過ごし方から違いがあり、新しい気付きもあるかもしれない。

出典：BizHits・働きたくないと思う理由は何？働く男女1,000人にアンケート調査

また上司に相談することによるメリットがもう一つある。BizHitsが働く男女1000人に働きたくないと思う理由を聞いたところ、1位は人間関係が辛いだった。上司が嫌いという理由もランクインしているところから、仕事をする上で職場での付き合いは重要なのだ。

人間関係を良くするためには、プライベートな話をするのが一番手っ取り早かったりする。ほぼ毎日顔を合わせているのに仕事関連の話題ばかりでは少し寂しいだろう。例えば休みの日に見た映画が面白かった、今日の夜ご飯を何にするか悩んでいるなど何でも良い。

今まで業務的な話しかしていなかったのに、いきなり私生活の話題になるとびっくりするかもしれないが少し距離が縮んだように感じる。そうすると普段の仕事でも気軽に相談出来るようになるはずだ。仕事だけでなく学生時代の部活の先輩などにも、相談出来るかどうか声をかけてみよう。

近所付き合いを大切にする

このように自分では気付かない内に、誰かと会話する機会は転がっているのである。そう捉えれば、自分は天涯孤独ではないと思えるだろう。ただ中にはそれだけでは知り合いとは言えないと主張する人もいる。

ではもう少し視野を狭くして考えてみよう。両親や友達ほど縁が深くなくスーパーの店員よりも近い存在、それが近所に住む人たちなのだ。

出典：内閣府・第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果

内閣府は日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの4か国に住む60歳以上の男女を対象に、同居している家族以外に頼れる人はいるかと調査を行った。60歳以上の高齢者になると、子どもは家を出て一人暮らしをしていることが多い。そのため天涯孤独だと感じやすいのだ。

そんな世界の60歳以上の方はどんな人を頼っているのだろうか。

調査の結果、やはり家族以外に頼れる人はいないという解答が多かった。4カ国で比べると日本が一番多いことも分かる。それとは別に注目して欲しいのは、日本では友人よりも近所の人の方が頼れると答えている点だ。

会う約束をしていなくても近所であれば顔を合わせる。回覧板や連絡網がある地域では定期的に関わる機会があるはずだ。

少し出かけたりポストを確認する時に隣人に会ったら積極的に挨拶をしてみよう。少し世間話をしても良い。日頃から声をかけていれば何かあった時に相談に乗ってくれる関係になるだろう。

SNSを有効活用する

出典：総務省情報通信政策研究所・平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

総務省が行った調査によると、娯楽としてのインターネットはテレビと同じくらい重要視されていると分かった。特に10代から30代はテレビよりもインターネットを優先しているらしい。40代に関してはテレビとインターネットどちらも同じくらい利用しているのだ。

天涯孤独で辛い時、娯楽はとても心の支えになる。趣味に没頭していると嫌なことも忘れられるからだ。ただ意味もなくWebサイトを徘徊するネットサーフィンを好む人も複数いるだろう。

またTwitterやInstagramなどのSNSを利用する人もとても多い。名前も顔も知らない人でも話を聞いてくれるだけでも気持ちが楽になる。また余計な先入観がないため公平な意見をもらえることもあるのだ。

ただ特定などには細心の注意を払おう。個人情報をばら撒いてしまうと、事件に発展する危険性が高まる。なんとなく撮った写真の建物や道路から特定されストーカー被害を受ける事例も少なくはない。ルールを守って利用するようにしよう。

天涯孤独の人にオススメの相談窓口

くだらないかどうかを自分で判断してはいけない。もし相手からくだらないと言われたらそれはそれで良い。孤独で辛いが頼れる人がいない場合は、真っ先に相談窓口を検討しよう。

公的な相談機関を利用する

出典：電話相談｜自殺対策・厚生労働省

天涯孤独で辛く消えてしまいたい、そんな時一番初めに思い浮かぶのは国が用意している相談窓口だろう。よく挙げられるのは、厚生労働省が設けているこころの健康相談ダイヤルである。

他には生きるのに疲れてしまった方向けのいのちの電話、18歳までの子どもだけが利用出来るチャイルドラインなどいくつか種類がある。

基本的に僕の事を否定をする事なくひたすら話を聞いてくれます。

とにかく聞いてくれる。

それに尽きますね。
しかし知人や家族に話難い事も匿名で聞いてもらえるのは良いかもしれません。
思う存分言葉にすればいくらか心の中も整理がつくきますからね。

(中略)

1人で塞ぎ込んでいるのが１番負担、不安になるのは間違いないです。
話を聞いてもらい次のステップに踏み出すきっかけになったと思うと電話した意味はあったかもしれません。

Osanpo.himetason・死にたい程に辛い時、こころの健康相談統一ダイヤルに電話してみた感想より引用

これは実際に厚生労働省のホームページにある相談窓口に電話をした方の感想である。電話先の相談員はとにかく話を聞いてくれるらしい。自分の辛さを吐き出せずに溜め込んでしまう人にはうってつけだろう。

逆に言うと、具体的な解決策を求めているのであればこの相談窓口はオススメ出来ない。方法を尋ねても病院に行くことを勧められるだけなのだ。相談員の一存では全てを決めかねるため、専門医への受診を勧めるのだろう。

天涯孤独で辛い人の中には生と死の瀬戸際にいる方もいる。そこで不適切な発言をしてしまってはよくない結果を招く可能性があるのだ。

このような理由から、一時的な感情から話を聞いて欲しい人にはこころの健康相談統一ダイヤルが一番適していると言える。天涯孤独で辛い人以外でも日々悩みを抱えて生活している人はたくさんいる。

電話をかけたらすぐに対応してもらえるわけではないので、電話につながらないし何も解決しなかったと怒るのは辞めよう。

病院に行き相談する

天涯孤独で辛すぎて体調に影響が出ている場合はすぐに病院に行こう。何が原因で孤独を感じているかにもよるが、基本的には心療内科に行くのが良い。他の選択肢として精神科もあるので不安な人はどちらもある病院を選ぶのがオススメだ。

出典：NHK福祉情報サイトハートネット・これだけは知ってほしい！

天涯孤独の人がなりやすい病気として、統合失調症が挙げられる。NHKのハートネットTVは統合失調症の方245人にアンケートを取った。すると症状の中で困るのは、不安や孤独を感じることだという解答が一番多かったのだ。中には周りに友達がいても一人ぼっちで寂しくなる人もいた。

ここまで聞くと、それなら早く病院に行こうと思う人とそこまで深刻ではないから行かない人が出てくるだろう。後者の人は病院に行くことに対する敷居がかなり高くなったかもしれない。

心療内科に行けば何か薬を処方されたりして大袈裟になり、周りから精神病を持っていると冷たい目を向けられる…そんな不安もあるだろう。

しかし、それよりも病気の兆しがあるのに放置して重症化する方がよっぽど怖いので少しでも異変を感じたら受診するようにしよう。心療内科に行ってすぐにいきなり病気ですと言われるわけではない。

基本的には自分の今の状況を話し、カウンセリングの中で判断される。治療というより相談しに行くという意味合いの方が近い。

例えばブラック企業で心身共にボロボロな人がいるとしよう。このような人は辞めたくても辞められずにズルズルと仕事を続けているケースが多い。そんな人に心療内科などの病院は診断書を発行する。

これがあれば、会社側は休職や退職を拒まないだろう。このように心療内科は自分の味方になってくれるのである。

出典：統合失調症ナビ・統合失調症セルフチェック

それでも病院に行くまでではないと思うのであれば、統合失調症セルフチェックを試してみよう。あくまでおおよその診断なので鵜呑みにしてはいけない。ただ参考にする程度であれば暇な時に答えてみるのもありだ。

この簡易的なチェックリストでも統合失調症だと判断されたら心療内科に相談に行こう。このサイトは診断結果を印刷することも可能なので、一緒に持って行くのも良いかもしれない。

24時間対応のオンラインカウンセリングを受ける

電話窓口の多くは対応出来る時間が限られていることが多い。自分の空いている日程と合致しなければ相談することすら出来ないのは悲しすぎるだろう。

どうしても合わない場合は、365日24時間いつでも対応出来るオンラインカウンセリングを探してみよう。

出典：AskDoctors

例えばこのAskDoctorsもいつでも相談出来る窓口である。なぜ24時間いつでも解答が来るかというと、6100人以上の現役医師がこのAskDoctorsを利用しているからである。これほどの医師がいればいつ質問しても誰かは必ず見ているため、5分以内に返信が来ることも多い。

真夜中はさすがに厳しいのでは？と心配な方も安心して欲しい。医療従事者の中には夜勤勤務をしている医師もおり、その休憩中に確認したり出来る。確実に返答が来るだけでも大きく安心出来るだろう。

このAskDoctorsの大きな特徴として、一人だけでなく複数の医師から解答がもらえる点が挙げられる。いくら同じ医師とは言え考え方は一人一人違う。そのためいろんな意見を聞けるとかなり参考になるのだ。

※同上AskDoctorsより引用

また孤独で寂しいという意見の他にも今通っている病院についてや体調不良についても尋ねられるため、かなり幅広い内容で質問が出来る。電話ではなく、チャットでのやり取りなので気軽に聞けるのもメリットだろう。

AskDoctorsのサービスを受けるには有料会員になる必要がある。一年につき3960円のベーシックプランであれば、月3回まで相談が出来るシステムだ。その他に月330円で利用出来るお試しプランもあるが、こちらは月1回までしか相談不可となっている。

ちなみにお試しプランを1年続けてもベーシックプランと同じ料金なので、継続して利用する意思があるならベーシックプランの方がオススメだ。

ここまで取り上げてきたAskDoctorsはあくまで一例である。他にも探せば意外と24時間対応の窓口はあるので、気になった方は探してみて欲しい。

Yahoo！知恵袋で質問する

出典：Yahoo！知恵袋

何か不明な点がありネットで質問する時、Yahoo！知恵袋を見る人は多いだろう。しょうもない質問から深刻な質問までいろんな人が利用している。天涯孤独で辛い人も例外ではない。実際に家族関係の悩みというタグがYahoo！知恵袋には存在しており、さまざまな質問が飛び交っているのだ。

しかしYahoo！知恵袋は質問のハードルが低いため、ハイリスクローリターンな場所である。誰でも質問出来るということは誰でも解答出来るという意味なのだ。解答をもらえるかは運であり、もしもらえたとしても心ないコメントかもしれない。

誹謗中傷を受ける可能性もあるので、投稿する時は気をつけよう。ちゃんとした言葉が欲しいのであれば他のサービスを利用することをオススメする。

総括：天涯孤独の人向けの相談窓口は多種多様＝積極的に活用するべき

記事のポイントをまとめておこう。

天涯孤独な人が相談するには

• とにかく誰かに会って話をする
• 両親や兄弟、親戚など血縁者に相談を持ちかける
• 知り合いや仲の良い友達に話す
• 上司や先輩に意見を聞く
• 近所付き合いを大切にする
• SNSを有効活用する

天涯孤独な人にオススメの相談窓口

• 公的な相談窓口を利用する
• 心療内科などの病院へ行き診察してもらう
• 365日24時間対応してくれるオンラインカウンセリングを受ける
• Yahoo！知恵袋で質問してみる

天涯孤独な人向けの相談窓口は探してみると意外と複数あったりする。それだけ孤独に悩まされている人がいるのだ。この世界は助け合いによって成り立っている。自分ではどうしようもない時は、勇気を出して誰かに助けを求めてみよう。