私たちは、普段当たり前のようにインターネットを利用している。
インターネットは、さまざまな情報を簡単に入手できるし、自宅にいながら買い物もできるとても便利なツールだ。
実はそれだけでなく、インターネットの中には、一般的な検索エンジンやブラウザーでたどり着くことができない「ダークウェブ」が存在している。
興味をそそられる人もいるかもしれないが、安易に近づくと大やけどを負うことになるかもしれない。
それほどに、ダークウェブは危険な世界なのだ。
ここで、ダークウェブを見て酷い目にあった人のことや怖い話を紹介しつつ、自己防衛してからアクセスすべき理由や必要知識などに言及していこう。
記事の内容
- ダークウェブを見て酷い目にあった人
- サーフェイスウェブとディープウェブの違い
- ディープウェブとダークウェブの違い
- ダークウェブには何がある?
- 買えるもの
①WEBサイトのログインID・パスワード
②住所や電話番号などの個人情報
③クレジットカード情報
④アクティベーションコード
⑤マルウェアを作成するツールキット
⑥女性 - ダークウェブの入り方
- 事件に巻き込まれないよう注意
- ダークウェブを見て酷い目にあった体験談
- 赤ちゃんオークション
- 検索してはいけない残虐性のあるサイト
- ダークウェブサイト集
onionちゃんねる
匿名ブログ
匿名チャット - 人が殺される様子を配信
- 怖い話をひとつ
- すべてが危険なわけではない
- 金儲けの話には近づかない
- 入ってしまった人の質問(Yahoo!知恵袋)
- 嘘の情報も多い
- ダークウェブを見て酷い目にあった、について総括
ダークウェブを見て酷い目にあった人
ダークウェブとは、特定のソフトウェアを使うことでしかアクセスできない匿名性が高いサイトのことだ。
ユーザーのIPアドレスや閲覧履歴が匿名化され、トラフィックが暗号化されるため、非常に匿名性が高く、政府であってもユーザーを特定するのは困難である。
薬物や武器など、違法な取引が行われることもあるが、ダークウェブを閲覧すること自体は違法ではない。
ただし通常のウェブサイトとは異なり、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにヒットすることはない。
また一般的なChromeやEdge、Safariといったブラウザではアクセスできない。
サーフェイスウェブとディープウェブの違い
インターネットの領域には、サーフェイスウェブとディープウェブがある。
サーフェイスウェブとは、Googleなどの検索エンジンでヒットする一般のWEBサイトのことだ。
表層WEBとも訳され、一般的なブラウザーを使ってアクセスできる。
ディープウェブとは、Googleで検索しても表示されないサイトを意味する。
Googleに表示されないからといって、別に違法性があるものばかりではない。
たとえば個人の銀行口座のページや会員制のWEBサイトなど、ログイン時にパスワードを要求されるサイトはGoogleの検索にはヒットしない。
そのため、これらのサイトはディープウェブといえる。
ディープウェブが検索結果に出てこないのは、クローラーがログイン先の情報を登録できないようになっているからだ。
ディープウェブとダークウェブの違い
ディープウェブはGoogleの検索結果に出てこないという点ではダークウェブに似ている。
しかし、ダークウェブが特別なツールを使わないとアクセスできないのに対してディープウェブは普通のブラウザでアクセス可能だ。
この点で大きな違いがある。
ダークウェブには何がある?
ダークウェブは非常に匿名性が高いため、サーフェイスウェブでは見られないような違法性が高いさまざまなコンテンツや物品が取引されている。
違法取引やサイバー犯罪の温床となっており、サイトの半数以上で違法取引が行われているともいわれている。
たとえば以下のようなものが取引されている。
[News RT] ウクライナ危機に乗じてサイバー犯罪者たちがダークウェブでの活動を活発化
関連組織・企業への不正アクセスを販売 https://t.co/OSnrnLNvs0
— タルタル・ネットウォーコム@サイバー戦争情報ブログ (@TartareNetWar) February 23, 2022
買えるもの ①WEBサイトのログインID・パスワード
ECサイトや会員制のサイトは、ログインIDとパスワードを使って本人認証を行っている。
ダークウェブでは、そうした情報がセットで売られていることがある。
人によっては同じログインIDとパスワードを複数のサイトで使い回しているため、さまざまなWEBサービスに対するリスト型攻撃による不正侵入などに使われることが多い。
②住所や電話番号などの個人情報
サイトに会員登録する際、氏名や住所、メールアドレス、電話番号などを入力する。
こうした個人情報もダークウェブで取引されている。
これらの個人情報は架空請求に使われたり、DMを送ったり、フィッシングメールを送ったりと、さまざまな方法で悪用されてしまう。
③クレジットカード情報
スキミングやハッキングで入手したクレジットカード情報そのものや、その情報を元に作られた偽造クレジットカードも取引されている。
偽造クレジットカードは店舗で不正購入に使われ、クレジットカード情報はネットショッピングなどでの不正購入に使われる。
④アクティベーションコード
最近のアプリケーションやOSは、アクティベーションコードを使ってアクティベートすることが多い。
このアクティベーションコードを不正に生成するツールが取引されている。これにより商品を購入せずに違法に使うことができる。
⑤マルウェアを作成するツールキット
プログラミングの知識がなくても、さまざまなマルウェアを作成できるキットも取引されている。
ツールだけでなく、マルウェアそのものが販売されている場合もある。
近年、ランサムウェアの被害が増えた原因が、こうしたツールが出回っているせいではないかと考えられている。
⑥女性
ダークウェブを使って女性の人身売買を行っている組織もある。
ブラック・デスという組織は、誘拐や人身売買のネットワークを取り仕切っている。
イギリス人のセクシーモデルであるクロエ・アイリング誘拐事件の黒幕であるともいわれている。
クロエは薬物を摂取されたのち、手錠をかけられてスーツケースに押し込められ、6日間監禁された。
ダークウェブユーザーは高額を支払って、ヨーロッパ中から誘拐してきた女性と買っているといわれている。
病院は役所みたいなモンで融通が利かないからダークウェブでフェブリク20mgを買いたい
— Tweeps kani (@eliza_kani) February 25, 2022
ダークウェブの入り方
ダークウェブには普段使っているブラウザーでは入ることができない。
そのため、Torというブラウザーを使うことになる。
Torはユーザー側の情報を明らかにすることなく、インターネットを利用できるため、匿名でネットを使いたい人のためのブラウザーとなっている。
Torを使えば匿名でインターネットを使えるが、サーバーから情報をたどられてしまう可能性もある。
そのため、NordVPNなどのVPNもダウンロードしておいたほうがいい。
VPNを使うと送受信されるデータが暗号化されるため、情報の抜き取りや改ざんが困難になる。
事件に巻き込まれないよう注意
TorやVPNを使って身バレを防ぐのは、それだけダークウェブが危険な場所だからである。
またダークウェブを利用する際はメールアドレスの登録を求められることが多いため、ProtonMailやTORboxなどユーザーを追跡できないメールアドレスを用意しておこう。
あとはTorを使ってダークウェブにアクセスすることになる。
ダークウェブのサイトはドメインが「.onion」となっているものが多いため、オニオンサイトとも呼ばれている。
スマホからでもダークウェブにアクセス可能だ。
AndroidとiOSにはダークウェブに入るためのアプリが用意されているため、それを使えばダークウェブにアクセスできる。
ただし、スマホのほうがより身バレしやすいため、利用にはくれぐれも注意したい。
ダークウェブを見て酷い目にあった体験談
ダークウェブにアクセスしたせいで酷い目にあったという体験談は数多くある。
また通常のブラウザでは見ることができないような恐ろしいサイトを目撃した人も多い。
赤ちゃんオークション
ダークウェブには小児性愛者(ペドファイル)のネットワークもある。
こうしたサイトでは男児が虐待されている様子が映った写真や動画などがやり取りされている。
実際に2019年にはタイやオーストラリア、アメリカなどで逮捕者も出ている。
ダークウェブではさまざまなものが取引されており、中には赤ちゃんのような人間も含まれている。
検索してはいけない残虐性のあるサイト
ダークウェブには残虐性がある違法サイトも数多くある。
そのひとつが「The Human Experiment」だ。
Experiment(実験)と名が付いているように、さまざまな人体実験の動画や写真が集められたサイトである。
生物の解剖や薬の投与、X線実験、輸血実験など、さまざまな残虐かつ非道徳的な内容の実験が載せられている。
中には食物や水分を投与せずに放置するといった実験や妊婦の腹に漂白剤を注射して解剖するんど、生理的嫌悪感を伴うような内容のものもある。
このサイトはダークウェブの中でも恐ろしいとされており、警察などにもマークされているようだ。
ダークウェブサイト集
ダークウェブにある有名なサイトをいくつか紹介しよう。
通常のブラウザではアクセスできないため、Torなどのブラウザを使うように。
onionちゃんねる
ダークウェブの中では数少ない日本語サイトのひとつ。
いわゆる「2ちゃんねる」のようななんでもありの掲示板サイトとなっている。
誰かを刺すといった内容や爆破予告など、犯罪に関する書き込みも少なくない。
匿名ブログ
匿名で何かを発信したいときに使えるサービス。
法に触れるようなことはしないように注意書きされている。こちらも日本語で利用可能。
匿名チャット
匿名でチャットできるサービス。
チャットしたい相手に部屋の名前とパスワードを教えて使用する。空欄にして送信すると、みんなが好き勝手に発言している部屋に行ける。
国や法務執行機関からの情報開示請求は絶対受けないと書かれている。
人が殺される様子を配信
ダークウェブには通常のインターネットでは配信できないような動画もある。
殺人のライブ中継や人体実験、違法ポルノなどなど、かなり残虐性が高い動画も存在している。
見ることはおすすめしないが、最低限度のセキュリティ対策をしてからアクセスしてほしい。
怖い話をひとつ
ダークウェブにまつわる怖い話をひとつ紹介しよう。
ある男がダークウェブの動画を見ていた。
その内容はホラー映画などでグロい映像に慣れている人でも吐き気を催すようなショッキングな映像だった。
男はサイトにあったチャットボックスに「このサイトを警察に通報する」と書いて送信した。
すると、意外にもチャットの返信があった。
そこには「あなたの名前は○○ですね。住所は○○」と男の名前と住所が書かれていた。
男はとても驚いたが咄嗟に「間違っている」と答えた。
しかし、さらに相手は詳しい住所の番地までをチャットで送ってきた。
このようにダークウェブでは簡単に個人情報を盗まれる可能性があるため、迂闊に近づかないようにしよう。
すべてが危険なわけではない
ダークウェブにあるものすべてが危険というわけではない。
たとえば、アメリカのニューヨークタイムズやイギリスのBBCは「.onion」のサイトを持っている。
大手マスメディアのダークウェブ版は、言論統制や検閲が厳しい国々に住む人々やその支援者に、監視されずにさまざまな情報に触れられる方法を提供している。
さらに内部告発サイトのウィキリークスでもTorの技術が使用されている。
ウィキリークスのサイト自体は一般的な検索エンジンでもたどり着けるが、匿名でドキュメントをアップロードする際は.onionのURLが使われるようになっている。
このようにダークウェブには無害なサイトもあるため、必ずしも危険というわけではない。
金儲けの話には近づかない
ダークウェブ上には、さまざまな金儲けの話が転がっている。
中には少し手伝っただけで何万円、何十万円ともらえるような話もある。
そういった話はほぼ間違いなく犯罪に関することなので、絶対に近づかないようにしよう。
質問しただけでも個人情報が盗まれることがあるため、無闇に近づかないことが大切だ。
入ってしまった人の質問(Yahoo!知恵袋)
Yahoo!知恵袋でもダークウェブに関する質問が数多くある。
Q.ダークウエブに入ってハッキングの被害にあってしまったらipアドレスを通じて住所を特定される事もあるのでしょうか?
後ダークウエブに入った者は高確率で犯罪に巻き込まれやすいと聞きますけど具体的にはどんな犯罪に巻き込まれやすいのでしょうか?A.グローバルIPアドレスが特定されても、プロバイダーからの情報がなければ住所までは特定できません。
ダークウェブはそもそも犯罪者たちが不法な取引をするために発生したものですから、そこで行き交う情報自体が「不法なもの」です。
巻き込まれるか、ご自身が手を染めるかは別にして日本の国内法では「個人情報保護法違反」や「偽計業務妨害」「電子計算機不正使用」などに問われる可能性があります。
Yahoo!知恵袋より引用
嘘の情報も多い
ダークウェブには不用意に近づかないことが基本だ。
十分な知識がないままダークウェブを利用すると、さまざまな犯罪に巻き込まれてしまう危険性がある。
アクセスする場合はセキュリティソフトを使ったり、ダークウェブモニタリングサービスを使ったりして対策を講じよう。
ダークウェブモニタリングサービスに自分のメールアドレスや氏名・電話番号を登録しておくと、同じ情報がダークウェブ上にないかどうかモニタリングしてくれる。
もし個人情報が流出した場合、すぐに気づけるため、被害防止につながる。
Instagramのアカウントがハックされました。 すぐメアドを変更して事なきを得る。 McAfeeのウィルス駆除ソフトは個人情報が漏れたら、ダークウェブに流れている場合 どのサイトから漏れたか通知してくれるから結構便利
— うさもふ@python英語とお絵かき (@mofu_usam) February 24, 2022
ダークウェブを見て酷い目にあったことについて総括
記事のポイントをまとめよう。
ダークウェブを見て酷い目にあったことについて
ダークウェブとは匿名性が高いサイトのこと
- 通常のブラウザーではアクセスできない
- 閲覧するためには特定のソフトウェアが必要
サーフェイスウェブとディープウェブの違い
ディープウェブとダークウェブの違い
ダークウェブで買えるもの
- ログインID・パスワード
- 個人情報
- クレジットカード情報
- アクティベーションコード
- マルウェアのツールキット
入るにはTorというブラウザを使う
残虐性のあるサイトも多数存在
ダークウェブサイト集
- onionちゃんねる
- 匿名ブログ
- 匿名チャット
ダークウェブにまつわる怖い話
無害なサイトもある
Yahoo!知恵袋でのやり取り
不用意に近づかないほうがいい
ダークウェブには特定のツールを使うことでアクセスが可能になる。
しかしかなりのリスクを伴うため、不用意には近づかないほうがいいだろう。
ちょっとしたことで個人情報の流出してしまったり、犯罪に巻き込まれてしまったりといったことがあり得る。
もしダークウェブにアクセスする場合は、しっかりセキュリティ対策をしておきたい。
NordVPNなどのVPNソフトを使うなどして、自己防衛してからアクセスするようにしよう。