「レ・ミゼラブル」はフランスの小説家・ヴィクトル・ユーゴーによって執筆された大河小説だ。
1本のパンを盗んだことをきっかけに、19年間も監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描いた作品となっている。
世界的な名作のひとつでドラマ、ミュージカル、映画、マンガといったさまざまな形式で人々から愛されているのだ。
そこで、映画:レ・ミゼラブルのあらすじを紹介しつつ、作品情報と共に原作やミュージカル、舞台や小説との違いなどについて解説していこう。
記事に内容
- 映画:レ・ミゼラブルのあらすじ
- レ・ミゼラブルは何語?英語なの?
- 短く簡単な要約
- ネタバレありの見どころ
- ミュージカルとしての完成度も高い
- 出演者・登場人物
- 最後の結末はどうなる?
- レミゼラブルが伝えたいこと
- 監督
- 脚本・演出
- 原作との違い
- 映画「レ・ミゼラブル」を見るならU-NEXT
- ネット上の評判・口コミ
- 映画以外の レ・ミゼラブルのあらすじ
- ミュージカル
- 国内舞台の全国公演キャスト
- まんが版「LES MISERABLES」全8巻
- さらに詳しく書かれた完全版について
- 小説の特徴
- 舞台を変えたドラマ版について
- レ・ミゼラブルのあらすじで興味を持ったら本編を!
- 総括
映画:レ・ミゼラブルのあらすじ
映画「レ・ミゼラブル」は同名のミュージカルを映画化した作品だ。
物語は1815年から1833年の18年間のフランスを舞台に、当時の社会情勢や人々の暮らしなどがとても細かく描かれている。
たった1本のパンを盗んだために19年間も監獄で生活することになったジャン・ヴァルジャンが主人公だ。
レ・ミゼラブルは何語?英語なの?
「レ・ミゼラブル」は英語ではなくフランス語である。
原題Les Misérablesは「悲惨な人々」「哀れな人々」を意味する。日本語訳されたときは「あゝ無情」と訳されている。
短く簡単な要約
舞台は19世紀のフランス。
1本のパンを盗んだ罪で19年間投獄されたジャン・ヴァルジャンは仮釈放された。
仮釈放中は毎月出頭しなければならず、身分証には危険人物と記されているため、職に就くこともできない。
ジャン・ヴァルジャンはお金がなくて餓死寸前だったが、教会の司教に救われる。司教は食事を与えてくれ、休む場所も提供してくれた。
しかしジャン・ヴァルジャンは恩を仇で返すかのように銀食器を盗んで逃げてしまう。
それからジャン・ヴァルジャンは警察に捕まる。
しかし司教は「銀食器は盗まれたのではなく、私が彼にあげたものだ」と語り、ジャン・ヴァルジャンは心を打たれる。
ジャン・ヴァルジャンは身分証を破り捨てて、名をマドレーヌと改めて第二の人生を歩むことになる。
やがてジャン・ヴァルジャンは工場の経営者と市長を兼任するようになる。
見違えるように立派になったヴァルジャンだったが、確執がある警察官・ジャベールに正体を見抜かれてしまい、逃亡することになる。
その頃に自分のせいで職を失って娼婦となってしまったファンティーヌと出会い、彼女の娘のコゼットを託される。
ヴァルジャンはコゼットを守り抜くことを誓うが、ジャベールの追跡と市民革命の激化に翻弄されていく。
ネタバレありの見どころ
映画「レ・ミゼラブル」のキャッチコピーは「愛とは、生きる力」となっている。
これはコゼットを思うジャン・ヴァルジャンの心境によく表れている。
ファンティーヌからコゼットを託されたときに彼の人生の目的がコゼットを愛し、守り続けることになった。
そして自分と同じようにコゼットを愛するマリウスを見つけ、自分の役割は終わったとこの世から去ってしまう。
元々は罪人であったジャン・ヴァルジャンだが、コゼットへの愛を注ぎ続けることで天国へと旅だったのではないだろうか。
ミュージカルとしての完成度も高い
「レ・ミゼラブル」は愛の大切さに気づかせてくれるのも大きな魅力のひとつだ。
聖書に登場するような人に対する愛。
それを最初に見せてくれたのが司教だった。
この司教のおかげでバルジャンは、コゼットやマリウスなど、他の人に対して愛を持って接するようになった。
相手を強く思えるバルジャンの生き方は尊敬に値するだろう。
「レ・ミゼラブル」は悲劇的な内容で、終始暗いムードが漂うが、歌の力強さが際立ち、そこから人々の希望や明るさを感じ取ることができる。
ミュージカルでは、話す台詞がほとんど歌という驚異的な内容になっている。
そうやってミュージカルとして愛されてきた部分が映画になっても失われることなく、しっかり残されている。
民衆や囚人の合唱や、アン・ハサウェイが歌う「夢やぶれて」などは誰の心にも響くだろう。
出演者・登場人物
「レ・ミゼラブル」に登場する主な人物について紹介していこう。
ジャン・バルジャン/ヒュー・ジャックマン
空腹で弱っている妹の子供のために1本のパンを盗み、19年間も投獄されることになる男性。
仮釈放中に司教の優しさに触れて、真っ当な人間として生まれ変わることを誓う。
主演のバルジャンを演じたのは、淡麗な容姿と高い演技力で評価されているヒュー・ジャックマンだ。
2000年に映画「X-MEN」でウルヴァリンを演じたことで一躍スターの仲間入りを果たした。
さらに「グレイテスト・ショーマン」では演技力だけでなく、歌声の素晴らしさも話題になった。
ファンティーヌ/アン・ハサウェイ
工場で働きながら娘のコゼットを1人で育てている女性。娘がいることを内緒にしていたが、工場にバレてしまいクビになる。
娘を養うために自らの髪、歯、体までを売るようになる。
肺病にかかってしまったことから娘のコゼットをジャン・ヴァルジャンに託す。
ファンティーヌを演じるのは映画「プラダを着た悪魔」などでも有名なアン・ハサウェイだ。
コメディエンヌとして、ハリウッドでも人気が高い。
彼女は本作の役作りのために11kgもの減量をしている。
さらには11ヶ月後に結婚式を控えていたにもかかわらず、自慢のロングヘアをバッサリ切ってしまっている。
その成果もあり、本作ではゴールデングローブ賞とアカデミー助演女優賞を獲得している。
コゼット/アマンダ・サイフリッド
ファンティーヌの娘。ある日の夜中、真っ暗な森でジャン・ヴァルジャンと出会い、引き取られることになる。
その後、修道院で育ち、街で見かけたマリウスに一目惚れしてお互いに恋に落ちる。
ジャベール/ラッセル・クロウ
社会秩序を乱すものが許せない厳格な人物。
ジャン・ヴァルジャンが服役していた徒刑場で看守をしており、その後警官になる。
罪人に対しては事情に関わらず悪と決めつけるため、正体を見抜いたジャン・ヴァルジャンのことを追跡し始める。
マリウス・ポンメルシー/エディ・レッドメイン
裕福な家庭に育ちながら反政府組織に所属している学生。
街中でジャン・ヴァルジャンと歩いているコゼットを見かけ、一目惚れする。
コゼットと革命のどちらを優先するかで迷うものの、最終的には革命に参加することになる。
最後の結末はどうなる?
ジャン・ヴァルジャンが収監されていた囚人だと気づいたジャベールは執拗に彼のことを追い詰めていた。
しかし、自分が革命軍に捕まったとき、ジャン・ヴァルジャンが助けてくれる。
ジャン・ヴァルジャンの崇高な精神に打ちのめされたジャベールは生きる意味を失い、自ら命を絶ってしまう。
その後、ジャン・ヴァルジャンはマリウスに自分の過去を明かすと、コゼットには秘密にしておいてほしいと頼まれる。
それからマリウスとコゼットの結婚が決まる。
ジャン・ヴァルジャンが修道院にいることを知った彼らは急いでそこに向かった。
そこには衰弱しきったジャン・ヴァルジャンがいた。ジャンは2人に別れを告げ、自分の過去について書いた手紙をコゼットに渡す。
そうしてジャンは亡くなってしまうのだった。
レミゼラブルが伝えたいこと
では「レ・ミゼラブル」が伝えたいこととは、どのようなものなのだろうか。
まずは無償の愛の素晴らしさだ。
司教の無償の愛、そしてその信頼に応えようとするバルジャンの姿を見れば、どんな不条理な世の中であっても愛や信頼が世界を変えうるという可能性を感じるだろう。
不条理な世の中は、民衆の力で変えられるという作者の考えもうかがえる。
また、人間には悪人もいるが善人も存在し、善い行いには善いことが、悪い行いには悪いことがという、当たり前のことを伝えてくれる。
さらには愛を与えれば愛が返ってくるということもよくわかるだろう。
そして、どんなに仲がいい親子であっても、やがては子離れをしてしまう。
しかし、素晴らしい親子の思い出は決して失われることがないということも教えてくれる。
ジャン・バルジャンの辛い目に遭っても他人を思いやる美しい心には胸を打たれた人も多いはずだ。
監督
2012年に公開された映画「レ・ミゼラブル」の監督は、ラジ・リが務めている。
マリ共和国出身で、映画監督・脚本家・俳優である。
監督してフィクションだけではなく、ドキュメンタリーも手がけている。
脚本・演出
「レ・ミゼラブル」の脚本はウィリアム・ニコルソン、アラン・ブーブリル、クロード=ミシェル・シェーンベルク、ハーバート・クレッツマーが担当している。
原作との違い
小説の「レ・ミゼラブル」はかなりの長編のため、映画では多くの部分がなくなっている。
中でも大きな違いは物語の始まりである。
原作では序盤はミリエル司教について描かれており、主人公のジャン・ヴァルジャンはしばらく登場しない。
ミリエル司教はジャン・ヴァルジャンを救った人物だが、彼がどのような人物だったかが100ページ以上に渡ってつづられる。
また物語終盤でジャン・ヴァルジャンは突然去っていき、ひとりで死のうとする。
彼がなぜこのような行動を取ったのかは映画では描かれていない。
映画では描ききれなかった部分が多数あるため、より詳しく知りたい人はぜひ原作を読んでほしい。
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ネット上の評判・口コミ
レミゼ映画では最終的に推し二人で同じ銃弾で死んだんだけど
嬉し泣きしてしまった
推しは最期結ばれた映画館には4回行った
だって帝劇だと五千円はかかるし隔年でしかレミゼ見られん
映画館なら割引あれば二千円かからんでみられる
しかも映画には新曲ついてる超お得!!って言って見に行った
— やまだ鞠子 (@yamari56) September 26, 2022
そういえば、今日久々にレミゼ見てたんだけど、ジャベールさんの生き様死に様になんの救いもないからぜひ見て欲しい。
赦されるべきでないはずの人間が正義であることに葛藤して、自分の信仰が故に自殺するんだ……。
これは個人的な感想なので、そんなんじゃねえってなるかもだけど許して欲しい— やまり (@NanchatteRingo) September 26, 2022
おれはレ・ミゼラブルをハンカチなしでは見れない よいえいが
— はみラト (@ha38ra10) September 26, 2022
映画以外の レ・ミゼラブルのあらすじ
映画以外の「レ・ミゼラブル」について紹介する。
ミュージカル
「レ・ミゼラブル」のミュージカルは1980年にパリで上演されたミュージカルを改訂する形で1985年10月28日にロンドンで初演された。
その後、世界各地で上演されている。
- 1980 パリ
- 1985 ウエストエンド
- 1987 ブロードウェイ
- 1987 東京
- 1995 10周年記念コンサート
- 2000 ブエノスアイレス
- 2002 メキシコシティ
- 2006 ブロードウェイ再演
- 2009 25周年UKツアー
- 2010 25周年記念コンサート
- 2010 スペイン
- 2010 USツアー
- 2012 韓国
- 2013 トロント
- 2013 スペイン
- 2013 プエルトリコ
- 2014 ブロードウェイ再演
日本や欧米では「レミゼ」と省略して呼ばれることがある。
国内舞台の全国公演キャスト
全国公演では同じ役に対して複数のキャストがつく。
ジャン・バルジャン
- 福井晶一
- 吉原光夫
- 佐藤隆紀
ジャベール
- 川口竜也
- 上原理生
- 伊礼彼方
ファンティーヌ
- 知念里奈
- 濱田めぐみ
- 二宮愛
- 和音美桜
コゼット
- 熊谷彩春
- 加藤梨里香
- 敷村珠夕
まんが版「LES MISERABLES」全8巻
日本国内では「レ・ミゼラブル」がマンガ化されている。
新井隆広(あらいたかひろ)が描いており、2013年ゲッサン10月号から連載開始している。
全8巻ですでに完結しているため、どういった物語か知りたい人のぴったりだ。
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さらに詳しく書かれた完全版について
小説の「レ・ミゼラブル」完全版は2,300ページを越える大ボリュームとなっている。
映画では描ききれなかった部分もしっかり描かれているため、さらに詳しく知りたい人におすすめだ。
小説の特徴
「レ・ミゼラブル」の小説は何人かの訳者によって書かれている。
それぞれ特徴が異なるため、これから読もうと思っている人向けに解説していく。
豊島与志雄・訳(岩波文庫版)
岩波文庫版は全4冊となっている。
名訳として読み継がれているが、最初に刊行されたのが大正のため、さすがに古さを感じてしまう。
また岩波文庫には他にはない特徴として、挿絵がすべて収録されている。
ミュージカルのポスターなどに使われる挿絵などもすべて収録されているため、挿絵に興味がある場合はこちらがおすすめだ
佐藤朔・訳(新潮文庫版)
新潮文庫版は全5冊となっている。
かなり昔から読まれ続けているスタンダードともいえる訳だ。
ただし岩波文庫よりは新しいものの、50年以上に刊行されたもののため古さは感じる。
豊島与志雄・訳(平凡社ライブラリ)
平凡社ライブラリは全5巻となっている。
さすがに最新訳というだけあり、文体が読みやすく、注釈も適切に挿入されている。
永山 篤一・訳(角川文庫)
角川文庫版は上下2冊と量的には少ない。
とにかくストーリーを一通り知っておきたい人にはこちらの角川文庫版をおすすめする。
舞台を変えたドラマ版について
フジテレビ開局60周年特別企画としてドラマ版「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」が放送された。
舞台は平成の日本になっており、大幅なアレンジが加えられている。
ディーン・フジオカと井浦新が主演を務め、山本美月、吉沢亮、村上虹郎などが出演している。
ドラマの感想
クライマックス、ドラマの泣き場を一人で背負っているのが果耶ちゃんな訳ですが、セリフ無く動きもない中、表情だけで私の全涙を出しきらせたよ。号泣だよ😭最高だよ😭かわいいよ☺️
『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』#TVerhttps://t.co/fXgeQzVMg4
— うやむや (@Mh6rSa) September 26, 2022
レミゼ、ほんとに見応えがあって好きな作品の一つ✨
吉沢さんと虹郎くんの散髪シーンは何度観ても泣ける💧泣ける💧泣ける💧
二人の共演また見たいなぁ…
いがぐり頭が新鮮✨#吉沢亮 https://t.co/D178hm2O1u— サーモンから鮭🍶(kaorin🛳🩺) (@2Vito3iezTbKGTP) September 26, 2022
総括:レ・ミゼラブルのあらすじで興味を持ったら本編を!
記事のポイントをまとめよう。
レ・ミゼラブルのあらすじや作品情報
レ・ミゼラブルの原作はヴィクトル・ユーゴーの小説
- タイトルはフランス語
- 19世紀のフランスが舞台
- 主人公はジャン・ヴァルジャン
見どころは「愛とは、生きる力」が表現されている生き様
登場人物の紹介
- ジャン・バルジャン
- ファンティーヌ
- コゼット
- ジャベール
- マリウス・ポンメルシー
監督はラジ・リ
脚本はウィリアム・ニコルソンら4人
原作ではミリエル司教がしっかり描かれている
映画を観るならU-NEXTで
ネット上の口コミ
ミュージカルは世界各地で公演
国内舞台の全国公演について
マンガ「LES MISERABLES」について
マンガ読むなら「まんが王国」がおすすめ
小説版のそれぞれの特徴
日本を舞台にしたドラマについて
「レ・ミゼラブル」は1862年にフランスの小説家・ヴィクトル・ユーゴーによって書かれた大河小説だ。
1本のパンを盗んだだけで19年間も監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯が描かれている。
世界中で愛され続けている作品で日本国内でも小説、アニメ、ドラマ、ミュージカルなどなど、さまざまな形で多くの人の心に影響を与え続けている。
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