多くの国で愛され、映像化されているイギリスの超有名推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズ。
1887年から1927年にかけて発表された「シャーロック・ホームズ」シリーズだが、実は1作目2作目の長編作品は人気が出なかったようだ。その後イギリスの月刊少年誌「ストランド・マガジン」に依頼され短編の連載を開始すると、爆発的ヒットとなった。
という事は、「シャーロック・ホームズ」シリーズの人気はこの少年誌の力なのかもしれない、編集者さんが相当有能だったのだろうか。
だがもうひとつ、個人的に推したいのは「アイリーンア・アドラーあげまん説」だ。「ストランド・マガジン」での連載1作目「ボヘミアの醜聞」という短編で初登場したのが「アイリーン・アドラー」、その後もたまに登場する魅惑の女性キャラクター。
名探偵である主人公シャーロック・ホームズとなにやらただならぬ関係と思われる彼女の魅力はすさまじい。そんな「アイリーン・アドラー」についてお伝えしたい。
アイリーン・アドラーは・・
- アイリーン・アドラー
シャーロック・ホームズ他、様々な作品 - アイリーン・アドラーを演じた女優【TOP3】
3位：ナタリー・ドーマー
2位：ララ・パルヴァー
1位：レイチェル・マクアダムス - 実写だけではない！アイリーン・アドラーを演じた声優さん
- アニメ「憂国のモリアーティ」今一番旬なアイリーン・アドラー
- 「名探偵コナン」でのアイリーン・アドラー
灰原哀のモデルはアイリーン・アドラー？ - 殺意の沸点が低すぎる：アイリーン・アドラーの嘲笑
アイリーン・アドラー：シャーロック・ホームズ他、様々な作品
まず原作「シャーロックホームズ」でのアイリーン・アドラーはアメリカ生まれのオペラ歌手、女山師でもある。この「山師」、聞きなれない職業ではないだろうか？
“やま‐し【山師】 の解説
- 鉱脈の発見・鑑定や鉱石の採掘事業を行う人
- 山林の買付けや伐採を請け負う人
- 投機的な事業で大もうけをねらう人。投機師
- 詐欺師。いかさま師。“
となっているが、アイリーンの場合はおそらく4番の「詐欺師。いかさま師」に近い意味だろう。
決して正義の人ではない、どちらかというと犯罪者だ。ミステリアスでどこか危険な雰囲気の女性が魅力的なのは「ルパン三世」の峰不二子が証明している。
アイリーンは実に頭の回転が速い。「ただ一人、名探偵を出し抜いた女性」と称されている事からも、名探偵ホームズよりも上手という可能性すらある。確かに初登場作品「ボヘミアの醜聞」でも見事名探偵を翻弄している。
シャーロック・ホームズとの関係については「恋人」「元恋人」などと言われているが、そこを詮索するのは野暮というものだ。これも「ルパン三世」のルパンと不二子ちゃんと同様に、明言はされていないがきっと何かある、「ただならぬ関係」だとは思う。
アイリーン・アドラーを演じた女優【TOP3】
「シャーロック・ホームズ」シリーズを原作とした作品は想像以上に多い。
アニメやドラマ、映画など多くの国で愛されている作品なのだ。
故にアイリーン・アドラーを演じた女優さんも大勢いる。
なので個人的トップ3を発表しようと思う。
3位：ナタリー・ドーマー
まず第3位はドラマ「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」のアイリーン・アドラーを演じていたナタリー・ドーマー。
イギリス生まれの女優さんでドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」にもマージェリー・タイレル役として出演していた。
アイリーンはしっかり大人でシャーロックの元恋人という設定だったので30代ではないかと感じたが、マージェリーは狡猾というか小賢しいというか…とにかく少しずる賢いような印象だがおそらく少女で10代だろう。この二人を同一人物が演じているんだから女優さんとは偉大だ。
そしてこのアイリーン・アドラーを3位に選んだ理由は、なんとシャーロック・ホームズの宿敵であるモリアーティ、このドラマだとジェイミー・モリアーティという名前のその人も演じているからだ。
一人二役というのとは少し違って、ジェイミー・モリアーティがホームズに近づくために作り出した架空の女性がアイリーン・アドラー。魅力的なアイリーンを演じる事でホームズを陥れる、という流れなのだが、これが確かに相当魅力的。ホームズがハマるのも納得なのだ。
2位：ララ・パルヴァー
そして第2位はドラマ「SHERLOCK」のアイリーン、ララ・パルヴァーだ。こちらもイギリス生まれの女優さん。アイリーンはアメリカ生まれという設定だが、やはりイギリス生まれの名作だからなのだろうか。
第2位に選んだ理由は単純にこのドラマ「SHERLOCK」自体が面白いからだ。もちろんこのアイリーンも賢く美しく、魅力的なのだがなんといってもドラマのストーリー自体が面白い。さすが本場イギリス・BBC製作のドラマだ。
1位：レイチェル・マクアダムス
そして堂々の第1位！映画「シャーロック・ホームズ」シリーズのアイリーン、レイチェル・マクアダムスだ。イギリスではなくカナダ生まれの女優さん、1978年生まれで2021年現在は42歳。
第1位の理由は一番単純、大好きな女優さんだから。ベスト3のアイリーン・アドラーの中で年齢は一番上だが、この人は本当にかわいい。少女のような笑顔がものすごく似合うし、一方で芯が強そうで聡明な感じもある。
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実写だけではない！アイリーン・アドラーを演じた声優さん
日本でもとても愛されている「シャーロック・ホームズ」シリーズ。実写だけではなくアニメや人形劇にまでもなっている。という事は日本の声優さんもアイリーン・アドラーを演じているのだ。
2019年10月から2クールにわたって放送されていたアニメ「歌舞伎町シャーロック」でアイリーン・アドラーを演じたのは坂本真綾。歌手としても活躍している実力派の声優さんだ。
2020年10月から放送されていたアニメ「憂国のモリアーティ」でアイリーン・アドラーを演じていたのは日笠陽子。こちらも実力派の声優さんだ。
そしてなんと2014年には人形劇「シャーロック・ホームズ」が放送されていて、この劇中でアイリーン・アドラーを演じたのは女優さんの宮沢りえ、残念ながら動画は残っていなかったが、さぞ艶っぽかっただろう。
この劇ではロンドンではなく寄宿学校を舞台としてキャラクター達も学生や教師という設定のようで、アイリーン・アドラーは保健室の先生。そんな…なんか…贅沢すぎやしないだろうか。
これをNHKで放送していたそうなので驚くと共に観ていなかった過去の自分に教えてやりたいと後悔した。
アニメ「憂国のモリアーティ」今一番旬なアイリーン・アドラー
2020年10月から第1期が放送され、2021年4月から6月の放送で最終話含む2期が幕を閉じたアニメ「憂国のモリアーティ」。「シャーロック・ホームズ」シリーズを原作としているわけではないがおそらく今一番旬なのはこのアニメのアイリーン・アドラーだろう。
主人公はモリアーティ、小説「シャーロック・ホームズ」シリーズでは悪でしかないモリアーティ側にスポットをあてていて、また違った魅力がある。
このアイリーンは、登場こそ原作「ボヘミアの醜聞」と同様の流れだったが、作中で死亡した事になり、名前や容姿を変えてその後はモリアーティの元で暗躍する。
その際使っていた名前はなんと「ジェームズ・ボンド」。あの有名なスパイを思わせる名前だが、この「ジェームズ」とはモリアーティ家の3兄弟に共通するミドルネーム。そして「ボンド」は英語で「結合・束縛・証文」などを意味するので今後仲間として加わる事の誓いや絆を込めて付けた名前ではないだろうか。
名探偵コナンのアイリーン・アドラー
こちらも「シャーロック・ホームズ」シリーズを原作としているわけではない。もっと言うとイギリスが舞台でもなければアイリーン・アドラーが直接登場するわけでもない。
だが「名探偵コナン」の主人公である江戸川コナン、つまり工藤新一は超が付くほどの「シャーロック・ホームズ好き」。所謂「シャーロキアン」で、ホームズの名言なども良く出てくるし何より彼自身が「和製ホームズ」を気取っている。
「名探偵コナン」の原作者は少なからず「シャーロック・ホームズ」から影響を受けているのだろう。
灰原哀のモデルはアイリーン・アドラー？
「名探偵コナン」の人気キャラクターである灰原哀。彼女の本名は宮野志保。
作中では哀という名前は女探偵V・I・ウォーショースキーのIからつけたと話していたが、2014年に原作者青山剛昌が「名探偵コナン」のファンである佐藤健と対談した際「灰原哀の哀はアイリーン・アドラーからとった」と明言していた。
これについてファンの中ではアイリーン・アドラー＝シャーロック・ホームズを出し抜くという方程式から、灰原哀が最後に裏切るのでは？などと噂もあるようだがどうだろうか。
今のところその気配はないしそもそも小説のアイリーン・アドラーはホームズを裏切った事などない。
またアイリーン・アドラーはしばしば「シャーロック・ホームズが唯一愛した女性」などと揶揄される事が多いが個人的には愛したという解釈は少し違う気もする。
もちろん全く愛してないわけではないだろう。ただ愛だとか恋だとか、そういう型にはまる関係ではないのではないだろうか。
だが「名探偵コナン」はラブコメ要素も結構見所だったりする、今後灰原哀と江戸川コナンがどんな関係になっていくかも気になるところではある。
殺意の沸点が低すぎる：アイリーン・アドラーの嘲笑
1996年から放送されているアニメ「名探偵コナン」、原作である漫画「名探偵コナン」は1994年から連載されていてどちらも20年以上が経過している。
20年以上もの間毎週のように事件が起きるのだから、トリックや動機を考えるのも想像以上に難しいと思う。
だがしかし！いくらなんでもそれは…と言わざるを得ない殺害動機はファンの間でも有名だろう。
「故人である父親をネット上でバカにされたから」「茶髪の女を見ると腹が立つから」そしてまさかの「ハンガーを投げつけられたから」もうなんだかもはやそのくだらない動機目当てに楽しめそうなぐらいだ。
そして問題の「アイリーン・アドラーの嘲笑」。これはアニメで言うと57～58話「ホームズフリーク事件」での犯人、戸叶健人の殺害動機だ。
「シャーロック・ホームズ」のファンが集う会で、オリジナルの考察本「アイリーン・アドラーの嘲笑」を書いた被害者二人を犯人である戸叶健人が殺害する。その動機となったのが「アイリーン・アドラーの嘲笑」そのものなのだ。
「アイリーン・アドラーがホームズを嘲笑うなんて事があるわけない、そんな考察をした二人が許せない」と…
もう一度言おう、これは「殺害動機」だ。
そんな事で殺人を犯すような人間がよくもまぁこれまで生きてこれたものだと感心する。
いや、きっと彼にとって小説「シャーロック・ホームズ」とは聖書に等しいのだろう。
そう考えれば理解…やはりできなそうだ。
総括：魅力いっぱいのアイリーン・アドラー
アイリーン・アドラーという女性について少しは語れただろうか。
世界中で愛される名探偵を翻弄し、大勢の美女がその役を演じ、たくさんの作家に今もなおインスピレーションを与え、時には人を狂気に陥れてしまう。
ここで語ったのは個人的な趣味と解釈しかないので、ぜひ各々の「ベスト・オブ・アイリーン」を見つけてほしいと思う。
もしかしたらすぐそばにも貴方だけのアイリーン・アドラーがいるかもしれない。
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