肥満は健康上良くないばかりか、美容的にも好ましくない状態といえるでしょう。そんなことは誰でも自覚をしていて、ふとした瞬間「あぁ痩せなきゃ」と思うものです。
しかし、痩せるにしても「1か月で10キロ痩せる」と聞くとどう思うでしょうか。
ここで、1ヶ月で10キロ痩せる方法や強烈なダイエットの注意点などについて解説しつつ、カロリー消化の土台である基礎代謝や内臓脂肪は落としやすい理由などに言及しています。
記事の内容
- 1ヶ月で10キロ痩せる方法とメカニズム
- そもそも痩せたいと思う理由は?
- ダイエットの基本となる基礎代謝
- 意外と消費しているカロリー
- 脂肪の種類と増えてしまうメカニズム
- 10キロ痩せるための食事やメニュー
- 60キロと70キロの人の痩せる難易度の違い
- 1ヶ月で10キロの減量に成功した人(知恵袋)
- 1ヶ月で10キロ痩せる方法:年代や属性
- 男性が1ヶ月で10キロ痩せるためのポイント
- 女性が気をつけること
- 高校生はカロリーの過剰摂取を改善
- 中学生・小学生=1ヶ月で10キロ痩せる目標はNG!
- 太らないことの方が簡単
- 1ヶ月で10キロ痩せる方法について総括
1ヶ月で10キロ痩せる方法とメカニズム
当たり前の話ですが、10キロ痩せるといってもダイエットする人の体重によって難易度は変わってきます。元が100キロの人と60キロの人を同列に語るわけにはいきません。
さらに考えなければならないのは、どうして体重は増減するのか、そして正しく痩せるためのメカニズムを知らなければ、間違ったダイエットになってしまうでしょう。
そこで、最初に痩せたいと思う動機や脂肪と体重の関係、ダイエットの基本などを考えてみます。
そもそも痩せたいと思う理由は?
1ヶ月10キロという目標はさておいて、なぜ多くの人は痩せたいと思うのでしょうか。BIGLOBEが2019年に行った「ダイエットに関する意識調査」によると、男性と女性では若干の違いが見られます。
まずは複数回答による痩せたい理由上位5位までを男女別に見てみます。
男性 | 理由 | 女性 | 理由 |
1位 | 健康のため | 1位 | 美容のため |
2位 | 自信をつけるため | 2位 | 健康のため |
3位 | やせたほうが得をするから | 3位 | 自信をつけるため |
4位 | 美容のため | 4位 | やせたほうが得をするから |
5位 | 劣等感があるから | 5位 | 劣等感があるから |
「健康のため」は共通して痩せるための大きな動機になっているのですが、女性の1位は「美容のため」となっているのが特徴的です。この傾向は女性でも特に若い世代で顕著となり、20代女性では「美容のため」と@自信をつけるため」が同率で1位になっています。
最近でこそ「痩せている=美しい」という固定概念は薄れつつありますが、いまだにこのような意識を持っている人も少なくはありません。
ダイエットを考えるときは、目的をはっきりさせるとともに、目指す体重が正しいものなのか考える必要があるでしょう。
ダイエットの基本となる基礎代謝
人は生きていくために食物を摂取し、それをエネルギー源として生活しています。非常に単純なことですが、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると人の体はそれを蓄積しようとします。
これは太古の人間に備えられた生存するための機能のようなもので、飢餓に耐えて生き抜くため必要なものだったのです。ただ飢餓のない生活が送れるようななった現代では、この機能が肥満の原因となってしまいます。
つまり摂取カロリーを抑えることで肥満と逆のこと、すなわち痩せることができるのですが、問題はどの程度まで抑えるかという点です。
人は運動しなくても生きているだけで消費するカロリー量があり、これを「基礎代謝」といいます。カロリー消費の多い器官を順にみていくと、骨格筋22%、肝臓21%、脳20%、心臓9%、腎臓8%となっており、これらだけで基礎代謝の8割にも達します。
よく筋肉量を増やすと基礎代謝が上がるといわれるのはこのためです。なぜ動いていなくても骨格筋がカロリーを消費しているかといえば、骨格筋が熱産生して体温を維持しているからで、女性に冷え性が多いのは筋肉量が低いせいでもあります。
性別と年代別に見た平均的な基礎代謝で消費するカロリーは下表のとおりです。
年齢 | 男性 | 女性 |
12歳~14歳 | 2,600kcal | 2,400kcal |
15歳~17歳 | 2,850kcal | 2,300kcal |
18歳~29歳 | 2,650kcal | 1,950kcal |
30歳~49歳 | 2,650kcal | 2,000kcal |
50歳~69歳 | 2,450kcal | 1,900kcal |
見て分かるとおり、基礎代謝は年齢とともに低下していきます。中高年期に肥満が増えてくるのはこのためです。
意外と消費しているカロリー
基礎代謝で消費するカロリーをみると、人が生命を維持することの大変さが分かりますが、これに加えて日常のあらゆる行動でカロリーを消費します。
もちろん筋肉量など個人差はあるのですが、参考までに20代女性が行動によって10分あたりに消費するカロリーを、おおよその体重別で見てみましょう。
公道/体重 | 40kg | 45kg | 50kg | 55kg | 60kg | 65kg |
睡眠 | 7kcal | 8kcal | 8kcal | 9kcal | 10kcal | 11kcal |
読書 | 9kcal | 10kcal | 11kcal | 12kcal | 13kcal | 14kcal |
テレビを観る | 10kcal | 11kcal | 12kcal | 13kcal | 14kcal | 16kcal |
掃除 | 16kcal | 18kcal | 20kcal | 22kcal | 22kcal | 26kcal |
デスクワーク | 12kcal | 13kcal | 15kcal | 16kcal | 17kcal | 19kcal |
入浴 | 22kcal | 25kcal | 28kcal | 31kcal | 34kcal | 36kcal |
ウォーキング | 30kcal | 34kcal | 38kcal | 42kcal | 46kcal | 49kcal |
寝ているだけでもカロリーを消費するのですが、これを見てわかるとおり体重が軽いほど効率よく生きられることが分かります。
ただし基礎代謝と活動による消費カロリーを加味して、厚生労働省が推奨している1日の摂取カロリー量は、20代女性で2,000kcalほどなので油断はできません。
脂肪の種類と増えてしまうメカニズム
ダイエットといっても現在では体重を落とすだけではなく、美しい体を作るボディメイクも注目されています。ただどちらにしても大きな敵になるのが脂肪の存在です。脂肪には大きく分けて2種類あり、内臓脂肪と皮下脂肪に分けられます。
もともと原始時代から人の生存に役立つものだった脂肪ですが、内臓脂肪は付きやすい代わりにすぐエネルギーに転換しやすく落ちやすい性質を持っています。内臓脂肪は男性に多く見られる肥満の原因です。これは食料にありつけていない時でも、狩猟などのとき体を動かすエネルギーにしやすい機能といえます。
つまり男性は摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、それが内臓脂肪として蓄積されやすいのです。しかしその気にさえなれば落としやすい脂肪ともいえます。
皮下脂肪は内臓脂肪とは違う特徴があり、その名のとおり皮膚の皮下組織に蓄えられる脂肪です。残念なことにお尻や太もも、二の腕やお腹まわりなど、あまり動かさないところに付きやすいのが特徴で、機能としては体温が下がりにくくする働きがあります。
皮下脂肪は女性が付きやすい脂肪で、一度ついてしまうと落としにくい太古であれば有難いが、現代では厄介な性質をもった脂肪です。
いずれの脂肪も、人が生存するために備わった機能で、必要以上にカロリーを摂取することで身にまとってしまいます。
10キロ痩せるための食事やメニュー
1ヶ月に10キロ痩せられるかは別にして、ダイエットをするために食事内容の見直しは避けられないポイントです。
まず食事の摂り方について考え、少ない食事回数でドカ食いすることや、あまり噛まずに食事をする早食いなどの食習慣は改めましょう。
そのうえでカロリー計算は当然として、以下の4つのポイントを意識したメニューを考えます。
- 糖質・脂質を控えたメニュー
- 筋肉を維持するためにタンパク質はしっかり摂る
- 代謝を落とさないために水分はたっぷり
- 食物繊維・ビタミン・ミネラルも意識する
もちろん摂取カロリーを抑えるほど痩せていくのは確かなことですが、食べないダイエットは筋肉量の低下だけではなく、病気にかかりやすい危険な方法です。
また基礎代謝を下げリバウンドしやすい体になるので、運動や体質改善など組み合わせながらダイエットしましょう。
▼1~4を兼ね備えた「三ツ星ファーム」を見てください
60キロと70キロの人の痩せる難易度の違い
普通に考えれば分かることですが、たんに10キロ痩せようとしたら体重60キロの人より体重70キロの人の方が難易度は低いでしょう。ただ大事なことは体重だけを指標にすると正しいダイエットが見えなくなってしまいます。
問題なのは、身長や年齢から考えられる適正体重とくらべ何キロくらいオーバーしているかということです。身長180cmの20歳男性が体重60キロだとしたら、それは痩せるどころか増量が必要な体重です。
1ヶ月で10キロの減量に成功した人(知恵袋)
10キロ痩せるのは簡単なことではありませんが、それが1ヶ月ともなると気が遠くなるような苦行といえます。
脂肪を1キロ落とすためには、7,200kcal消費しなければならないので、月に72,000kcalになり1日当たりにすると5,142kcalです。摂取カロリーと消費カロリーが均衡しているとしたら、ジョギングを1日7~8時間しなければなりません。
こんなことに成功した人が一部にはいるのですが、知恵袋でも見ることができました。
私の場合ですが、甘いモノは一切絶ちました。(ジュース、お菓子など) あわせて食事ですが1日2食を腹5分目にしてお米は1日に1膳のみ。あとは野菜中心にしました。 足らない分は水もしくはお茶をがぶ飲みです。
それと夜に基本1時間のウォーキングとジョギンク(ウォーキング20分→ジョギング30分→ウォーキング10分) そして毎日ヘルスメーターで体重を量ります。 目標を経て(10キロ減なら1日約333グラム) これをクリア出来てなければクリアするまでウォーキング&ジョギンクをその日のうちに行いました。
Yahoo!知恵袋より引用
ここまで徹底してやり遂げられる偉業といえるでしょう。ただこの方がその後体重を維持できているのかは不明です。
1ヶ月で10キロ痩せる方法:年代や属性
よく言われることですが、脂肪の付きかたやダイエットのアプローチは性別によっても違います。また若い人と高齢者じゃ取り組み方は変わってくるでしょう。
ここからは年齢や属性などを考慮して、1ヶ月で10キロ痩せる方法や考え方と、健康を害さないための注意点を説明します。
ただし言っておきますが、適正体重を10キロ以上上回っていなければ、このようなダイエットは止めてください。それはリスクの方がはるかに高い行為です。
男性が1ヶ月で10キロ痩せるためのポイント
一般的に男性の方がダイエットに成功しやすいと言われています。ホルモンの関係で男性はトレーニングで筋肉がつきやすく、効果が目に見えやすくモチベーションが保ちやすいのも理由の一つです。
また男性は内臓脂肪の割合が高いことが多く、運動による脂肪燃焼がしやすいこともポイントです。
食事の見直しも必要ですが、まずは筋肉量を増やしジョギングなどの有酸素運動で内臓脂肪を減らすことを最優先にしましょう。
筋肉強化については、効果が出やすいのは大きな筋肉の多い下半身のトレーニングです。
時間がないのならスクワット一択とさえいえます。ただ筋トレの効果を実感したいのであれば大胸筋などの強化もオススメですし、モチベーションも上がります。
女性が気をつけること
女性には男性には見られない特徴があるので、自分に合わせたプランニングが重要になります。とくに毎月訪れる月経サイクルを考慮しないと、ダイエットが続けられなくなります。
男性のような単純なスケジューリングでは、生理前後に無理がかかるので、食事と生活習慣の改善に、月経サイクルを意識したエクササイズを組み込みましょう。
食事面では、皮下脂肪の付きやすい女性にとって糖質・脂質は敵ともいえる存在なので、無理のない範囲で摂取をへらします。
また一般的に筋肉の付きにくい女性にとっては、筋トレより筋肉マッサージのほうが効果を得やすいといえます。また過度の筋トレは女性ホルモンの分泌を抑え、老化を早める可能性があるといわれています。
高校生はカロリーの過剰摂取を改善
高校生の年齢でのダイエットは、女性にとっては成人と同じようなアプローチで行えますが、生理不順を起こすようなら即ストップです。
身体に過度の負荷をかけるダイエットは悪影響なので、1か月という期限は変更したほうが良いでしょう。
男子高校生の場合まだ成長期であることも多いので、やはり無理は禁物です。
基本的に肥満の人以外にはオススメしませんが、一番の原因と考えられるカロリーの過剰摂取を改善することが第一歩となるでしょう。
あとは男女ともに有酸素運動をメインにし、けっして体に無理をかけてはいけません。
中学生・小学生=1ヶ月で10キロ痩せる目標はNG!
小学生や中学生の時期は、成長期のど真ん中で過度の肥満でもない限りダイエットは考えないほうが良いと思われます。またダイエットとは違いますが、強負荷の筋トレなども避けるべきです。
成長期には骨の成長を促すことが重要で、筋肉をつけ過ぎることで骨の成長を阻害してしまいます。つまりダイエットするにしても筋トレなどの無酸素運動は取り入れず、ランニングなどの有酸素運動がトレーニングの中心となります。
成長期に痩せるためには食生活の見直しが一番で、肥満の原因を取り除くことで徐々に効果が表れるはずです。またこの年頃の子供が1ヶ月で10キロ痩せるという目標は、けっして立ててはいけないものです。
太らないことの方が簡単
これを言ってはおしまいかもしれませんが、1ヶ月で10キロ痩せるということを思い詰めるまえに、太らないことの方が簡単です。
実は多くの声を聞いていると、そこまで行き着くまでに何度か「痩せなきゃ」と思う時期があるものです。
そこでダイエットを始めていれば、「1ヶ月で2キロ」程度で済んでいたものが、先延ばしにするから「1か月で10キロ」になってしまうのです。
そこまで行ってしまった人には今更な話ですが、肥満進行中の人は早めに取り組むことを考えましょう。
1ヶ月で10キロ痩せる方法について総括
記事のポイントをまとめます。
1ヶ月で10キロ痩せる方法について
体が痩せるメカニズム
- 痩せたい理由は男性が健康で女性は美容
- カロリー消化の土台である基礎代謝
- 何をしても消化していくカロリー
- 付きやすい内臓脂肪は落としやすい
- 動かさないところに付く憎い皮下脂肪
- 食事は糖分と脂質に注意しよう
- 経験者が語る過酷なダイエット
男女や年代別の注意ポイント
- ダイエットの効果は男性の方が出やすい
- 男性は筋トレが必須トレーニング
- 女性は月経サイクルを考えたプランが重要
- 筋トレのし過ぎは女性の老化を招く
- 高校生は多少の無理は可能だが無茶は厳禁
- 小中学生は食生活の改善がなにより大事
1か月で10キロ痩せることは、とても強烈なダイエットといえます。
ダイエットでよく言われることですが、体重が増えた期間と同じだけ時間をかけて痩せるのが正攻法なので、可能であっても無茶はしない方がよいでしょう。なにか特殊な理由がない限り、思い詰めずに余裕のあるスケジュールを考えるべきだとアドバイスしておきます。
これを踏まえた上で、最も健康的にリスクなく10キロ痩せる方法として「三ツ星ファーム」をお勧めします。数か月間の長期目線にはなるものの、食生活の改善が正規ルートであり、その後のリバウンドを防ぐこともできるからです。