「ギガ使い放題」というキーワードは、スマホキャリア各社が宣伝している。ソフトバンクはダウンタウンの松本人志を起用し「もうギガは気にしない」というキーワードでアピールしているし、auも「使い放題MAX」というプランを打ち出している。
そもそも「ギガ」とはデータ通信量の単位でありGB(ギガバイト)のことである。
総務省が公表しているデータによると、大手携帯会社4社のサービスを利用者のうち、40%以上の方が月当たり20GB以上の料金プランを契約しているものの、実際に20GB以上を使っている利用者は約10%しか存在しないという。
裏を返せば、上記資料によると10%以上の利用者が20GB以上を使用していることになる。20GB以上、月々利用した場合、利用料金はいったいいくらになるのか。
データ利用量に応じて自動的に定額料が変動する4G LTEスマートフォン専用プランであるauの「ピタットプラン」で試算しようと思い、auのホームページから料金表を確認すると、20GB以上の利用は想定していないのか、下記のとおり20GBまでしか料金掲載されていなかった。
各種割引が適用されて上記の金額になっているが、仮に20GB以上を使用すると、かなり高額になりそうである。
そのため、20GB以上を使用したい場合、NTT docomo、au、softbankなどから格安スマホに乗り換える、あるいは同じキャリアでも格安プランに変更するなどを検討することが一般的な選択肢となっている。
当記事では、月額利用料などが安いイメージがあるであろう、softbank傘下の別ブランドであるワイモバイルの「ギガ使い放題」について解説する。
なお、スマホの料金形態は、各社頻繫に変更しており、今後もその傾向が続くと予想される。本記事執筆時期は2021年の10月である。当記事の内容は、あくまで執筆時期の時点の情報によるものであることを、ご了承いただきたい。
記事の内容
- ワイモバイルのギガ使い放題は嘘?
ワイモバイルホームページ - ギガ無制限に近いのは「つなぎ放題」
- コロナで無料?
ソフトバンク公式ホームページ - ワイモバイルのギガ使い放題の料金は?
ワイモバイルの最新の料金体系 - 料金シミュレーション
シンプルL
基本使用料:4,158円 - 追加可能性費用
通話料(国内通話は30秒につき22円)
データ増量オプション(550円) - ワイモバイルの料金=他社との比較
- ワイモバイルのギガ使い放題はないものの価格競争力あり
- 総括
ワイモバイルのギガ使い放題は嘘?
ワイモバイルの「ギガ使い放題」と銘打っているプラン、あるいはキャンペーンは現在、存在しない(2021年10月現在)。そのため、注意が必要である。
ギガ無制限に近いのは「つなぎ放題」
ワイモバイルでは、直近、ギガ使い放題のプランは「新つなぎ放題」というのが存在した。しかし、このプランは、2021年1月31日している。
ワイモバイルのホームページに、下記のとおり掲載されている。
終了したものの、このプランの概要を念のため確認しておくと、下記のとおりパケット方式のデータ通信が無料のプランとなっている。
パケット方式とは「パケット通信」とも言われていた3G(いわゆるガラケーなど)で通信をしていた際はよく使用されていた。8xパケット方式というのは通信の規格と速度に関する標記である。
要するに、4G/5Gの通信速度と比して、古い通信方法であるパケット方式でつなぐのであれば、無料のプランを打ち出していた。
コロナで無料?
ワイモバイルは、コロナ渦の2020年、ソフトバンクとともに25歳以下の契約者には追加データの購入料金を50GBまで無償化した(2020年8月末まで)。
ソフトバンクの公式ホームページでは、下記のとおり、“ソフトバンク”および“ワイモバイル”のスマホやタブレット端末、Wi-Fiルーターなどを利用している25歳以下の契約者を対象に無償化とした。
このように、ソフトバンクではワイモバイルも含めてコロナ渦、特に学生のオンライン授業などを念頭において、このようなサービスを展開していた。
ワイモバイルのギガ使い放題の料金は?
ワイモバイルでは、現時点(2021年10月現在)において、「ギガ使い放題」という分かりやすいプランは存在しない。
とはいえ、データ通信の繰り越しなど特徴的な料金形態もあるので、本章においては、ワイモバイルの料金シミュレーションを行いたいと思う。
その前に、ワイモバイルの最新の料金体系を抑えておこう。下記のとおり、データ通信容量は3GBのSプラン、15GBのMプラン、25GBのLプランとなっている。加えて550円を追加すれば、S~Lプラン各5GBずつ増量できる。
上記を念頭に置き、実際の料金をシミュレーションしたい。
料金シミュレーション
家族割引を前提にした基本料金が掲載されているが、家族割引を勘案せず料金計算したい。また、月額20GB使用を前提として一旦費用計算してみよう。端末費用は一旦計算に加えないものとする。
併せて、追加でかかる費用、注意事項も確認していこう。
シンプルL
- 基本使用料:4,158円
追加可能性費用
- 通話料(国内通話は30秒につき22円)
- データ増量オプション(550円)
なお、上記データ増量オプションについては、ワイモバイル公式ホームページにて、下記の但し書きがある。
加入翌月から12カ月間無料ということである。
ワイモバイルでシンプルLプランであれば、通話はLINEなどを使用する頻度が高いと判断し、通話料がかかってもあまり大した金額にはならないとすれば、4,158円という金額を計算の基礎としてもいいと判断して、次項にうつる。
ワイモバイルの料金=他社との比較
ワイモバイルのシンプルL(25GB使用)と、他大手キャリアのプランと比較したいが、生憎同条件のものが厳密には存在しなかった。
やや不公平な感もあるが、auの使い放題MAXというプランと、ピタットプランで比較したい。
auの使い放題MAXも家族割引を勘案せず、端末代金も計算には入れない前提で「7,238円」である。
また、ピタットプランでは20GBが上限なので、比較しやすいが、当初1年間が安くなるということを考慮しても、「6,028円」である。
いかに、ワイモバイルの月額利用料金が安いことが分かるであろう。
総括:ワイモバイルのギガ使い放題はないものの価格競争力あり
いかがだっただろうか。スマホの料金は複雑で、色んなものが付属してくる可能性もあり、単純な比較は難しい。しかし、大手キャリアのソフトバンクの回線を利用できるワイモバイルが、auなど大手キャリアよりも安いプランを打ち出せているのは魅力ではないだろうか。
とはいえ、大手キャリアもだまっていない。auはpovo、NTTドコモはahamoという格安プランを出している。菅総理が打ち出したスマホの料金値下げは、今もなお、各社に工夫を迫っているように思う。
重要なのは、各社の料金プランを細かくチェックし、自分に合ったプランを選択できることであろう。