斎藤一の牙突が愛され過ぎ!実写や構え、零式やオギノ式?るろうに剣心

牙突

牙突という字面を見て迷わずガトツと読めるという方は、少なからずこの技を練習した経験があるのではないだろうか。「るろうに剣心」の登場人物である斎藤一が使用する<牙突>は、特徴的な構え、そしてシンプルかつインパクト抜群で「自分にもできそう」と思わせる絶妙な匙加減が大きな魅力だ。

作品や登場人物を差し置いて、この牙突という技そのものに魅了されるファンも多いというまさに“お化け技”だが、実はこれは剣道で実際に用いられる基本的な動作がベースになっている。「牙突って、練習すれば自分にもできるのでは?」という問いに対する答えとしては、「イエス」と答えても問題ないだろう。

牙突は剣道の動作の一つ「片手一本突き」をベースとしている。この「片手一本突き」は史実においても「斎藤一(「るろうに剣心」の作中に登場する架空の人物と区別するため、実在した人物については「」付きで表記することとする)」が実際に使用していたという説もあるのだ。作中で登場する牙突は、この「片手一本突き」という基本動作を極めたものなのである。

つまり、「るろうに剣心」の世界でしか通用しない完全なオリジナル技や超能力の類ではないため、現実世界において実践するというのも決して夢ではないのだ。こうした汎用性の高さは世代を超えて話題を集めることとなり、牙突へのオマージュが他の作品で登場し注目を集めるという面白い現象まで起きている。

そこで、本記事ではこの技の歴史的背景や牙突の新たなメディアでの展開について紹介していく。その広がりを検証していくことで、牙突の面白みが一段と理解できることだろう。

記事の内容

  • 牙突とは?
    「るろうに剣心」の斎藤一が誇る必殺技
  • 「るろうに剣心」を語る上で欠かせない牙突
    1.牙突 壱式
    2.牙突 弐式
    3.牙突 参式
    4.牙突 零式
  • 画像で構えを確認!思わず練習したくなる
  • 成人男子をも吹き飛ばす威力
  • 牙突は実写やゲームでも注目の的
  • るろうに剣心映画版でも大活躍
  • 六刃とは?ゲームのオリジナル技
  • 牙突といえば零式!そのワケとは
  • まさかの銀魂に登場?零式ならぬオギノ式とは
  • 牙突は世代を超えて愛される技!作中で描かれた魅力とは
  • 総括

牙突とは?「るろうに剣心」の斎藤一が誇る必殺技

牙突とは、「るろうに剣心」の斎藤一の代名詞とも呼ぶべき必殺の剣技だ。史実における「斎藤一」は新撰組の三番隊組長であり、抜群の洞察力と忠誠心で内偵業務を担当し実戦においても目覚ましく活躍、優れた剣術の中でも特に「突き」を得意としていたが、こうした基本設定はそのまま作中に取り入れられている。

牙突は読んで字のごとく突きによる強力な打撃だが、この牙突という呼称は作中にのみ登場するものであり、実際の剣道や史実において<牙突>という所作が存在するわけではないため、この点は誤解のないように理解しておこう。

この牙突は一言で言えば「とても強い突き」ということになるが、この単純明快な技が読者の心をとらえて離さないのには理由がある。とりわけ、この技で数多の難局を勝ち抜いてきた斎藤一というキャラクターの人物像と照らし合わせながら考察すれば、非常に深い奥行きが見えてくるだろう。

「るろうに剣心」を語る上で欠かせない牙突

牙突という攻撃は、動作自体にそれほど特殊な要素はない。突きを繰り出す方向や体勢にいくつかバリエーションがあるのみという、極めてシンプルな構造だ。

まずは作中での牙突のバリエーションについて紹介しよう。「るろうに剣心」の本編で正式に登場した牙突には、下記の4種類がある。

1.牙突 壱式

牙突の基本形であり、先述したとおり「片手一本突き」を極めた技である。

2.牙突 弐式

壱式をベースに、やや斜め上から打ち下ろすスタイルで放つ技。作中で斎藤一は、本気で打ち込む際にこの形を使用する。

3.牙突 参式

同じく壱式をベースに、跳躍する形で上方にいる相手めがけて放つ技。対空迎撃用として用いられる。

4.牙突 零式

斎藤一が切り札として披露した技。突きという方向性は上記3つの型と同様であるが、相手と密着したゼロ距離の状態で上半身のバネのみを用いて繰り出す。

4種類の技の概要を見ればわかるとおり、全てにおいて突きという基本動作に特化されているため、牙突は軌道が読まれやすい。同じ対戦相手に乱発すれば見切られるリスクが増してしまうという弱点を抱えているのである。

しかしながら、壱式の軌道を予測させて弐式で打ち下ろす、絶対に牙突を打ち込まれないと油断を誘う距離感で零式を放つといった心理戦の要素に長があるというのは大きな魅力だ。

技そのものの破壊力に、斎藤一という人物の基礎的な剣術や実戦経験によるテクニックが合わさり、突きというシンプルな動作が強靭な必殺技にまで昇華したという設定の説得力は見事である。

画像で構えを確認!思わず練習したくなる

画像で構えを確認!思わず練習したくなる

上記のとおり、シンプルな基本動作をベースにした牙突は「マネのしやすさ」も人気の一因となっている。ポイントを押さえて構えることができれば、ファンなら必ずピンとくる牙突スタイルを完成させられると言えよう。押さえておきたい特徴をまとめておくので、是非とも参考にしてほしい。

  1. 相手に向かって半身のポジションをとる(真正面を向いて対面するのではなく、左足を引いて、相手に対し自分の体の側面部分を向けるイメージ)
  2. 腰を深く落とす
  3. 高く構えて切っ先を相手に向け右手を添え、左手だけで柄を握る
  4. 刀身は地面に対して水平となるように構える

腕の形だけを見れば、ビリヤードのキューを構えるイメージで練習すると良いだろう。形だけであればそれほど細かな注意点は無いものの、牙突という技の神髄にこだわるのであれば「刀身を地面に対して水平に」というポイントは必ず押さえておきたい。

これは、突きが外れてもそのまますぐに横に薙ぎ払う形での斬撃に転じさせることができるという実用性を追求したポイントであるため、お忘れなく習得してほしいところだ。

余談ではあるが、画像の中で見事な牙突を披露しているのは女性である。女性の団員のみで構成される宝塚歌劇団において「るろうに剣心」が上演された際の画像だ。演者である彩風咲奈は、斎藤一の役作りと牙突の見事な完成度で大好評を博した。

このように細身の女性であっても、ポイントを押さえれば完成度の高い牙突を仕上げることができるため、女性の方も全力でトライしてみよう。とはいえ実際の剣道においては、このような構えをとることはまず無いといってよいだろう。

そもそも突きとは、予備動作をほとんど必要としない動きであるため、何の前触れもなく繰り出し相手の意表を突く奇襲としての性格が強い。それゆえに、スポーツとしての剣道においては、礼節を重んじる風土から「突きを繰り出すことは失礼である」と考え敬遠する剣士も多いというほどである。

一方で、作中での牙突の構えは上記のとおり非常に個性的であり、さながら「今から突きを打ちますよ」と宣言するかのような様相を呈している。奇襲という側面が失われるうえ、実際の剣道シーンにはそぐわない奇抜な構えとなるため、現実的に剣の道を志すことと牙突の構えを練習することはまた別であると心得ておこう。

牙突の構えを練習

成人男子をも吹き飛ばす威力

「るろうに剣心」の世界において目覚ましい活躍を見せた牙突だが、実際のところどれほどの威力なのかという点を検証すると、ここはさすがに「漫画設定」と言わざるを得ない。

例として、魚沼宇水との戦闘で牙突零式が披露された際には、漫画版では宇水の上半身が千切れて吹き飛ぶ、アニメ版ではソフト表現への修正として宇水の全身がはるか後方に吹き飛ばされるという描写がみられた。

これらを総合的に踏まえ、牙突の威力を「成人男子が吹き飛ぶほどの衝撃」と定義づけるといくらかイメージしやすくなるだろう。参考までに風速に置き換えると、平均風速30メートル毎秒に該当し、まさしく「台風並みの威力」といったところだ。

風の強さと吹き方|気象庁

出典:風の強さと吹き方|気象庁

牙突は実写やゲームでも注目の的

あらゆる戦局、困難を突破してきた牙突は、斎藤一というキャラクターの代名詞そのものとなった。ファンからは親しみを込めて「斎藤って牙突以外の技が無いよね」と揶揄されることもあるが、これはもはや誉め言葉であるといってよいだろう。

突きというシンプルな技で超人的な活躍を見せてきた斎藤の牙突は、形だけを真似る分には簡単であるが、その驚異的な威力まで再現するという次元で考えれば実現は難しいと言わざるを得ない。

さらに言えば「突き」というシンプルすぎる構造上、バリエーションの増加にも限界がある。こうした難しさを踏まえて多くのファンの注目を集めた実写版や、新たな牙突が登場したゲーム版など、牙突の新たなメディア展開をチェックしてみよう。

るろうに剣心映画版でも大活躍

るろうに剣心映画版でも大活躍

江口洋介の好演と抜群のビジュアル再現度が好評を博した実写版「るろうに剣心」の斎藤一だが、牙突の見せ場は残念ながらやや控えめであった。ここぞというシーンで構えを披露し、「分かる人には分かる」といったレベルでの表現にとどまったという印象だ。

とくに、漫画版の原作本編で零式が強烈なインパクトを残した宇水戦は、実写版で描かれこそはしたものの、構えのカットから一閃するという数秒のシーンで完結しており、牙突ファンには少し物足りない采配となってしまったようだ。

しかしながら、少ない描写で存分に「牙突らしさ」を表現できた江口への称賛は惜しみなく送りたいところである。超人的な描写よりもリアリティを追求した映画の本筋に収めるためには、致し方ないと言わざるを得ないだろう。

逆に言えば、突きという単純動作であるにもかかわらず実写版での描写を「物足りない」と感じさせるほどに、牙突は驚異的な技であるということだ。

六刃とは?ゲームのオリジナル技

牙突の新展開として、ゲーム版(PS2 『炎上!京都輪廻』)で「新技」が登場したという点も見逃せない。このゲームの中で「牙突六刃」という新たな技が登場し、6回の突きを高速で繰り出す華やかな演出が話題を集めた。

しかしながらこれは、漫画版本編には一切登場しない技だ。非公式とまでは言えないものの、原作には登場しない技であるため、少し賛否が分かれるところであろう。

一方で、同じく新選組に在籍していた「沖田総司」は目にもとまらぬ速さで3度の突きを繰り出す「三段突き」の名手であったいう史実もあり、このオマージュであるかのような牙突六刃の構成に胸を熱くした歴史ファンも多い。

多少の賛否はあるものの、バリエーション展開に厳しい課題のあった牙突に新技が登場したことは、多くのファンにとっては喜ばしいことであろう。同時に、せっかくのゲームオリジナル設定においてもやはり牙突だけにこだわるという徹底ぶりは、往年のファンの笑いを誘ったようである。

牙突といえば零式!そのワケとは

いくつかのバリエーションがある牙突であるが、その中でも屈指の人気を誇り最も話題に上るのが零式だ。

これは、零式が初めて登場したシーンにおいて、牙突を繰り出すことができないと思われた絶体絶命の危機を鮮やかに乗り切ったというストーリー展開がその人気を支えているという点が大きい。まさに起死回生の切り札としての活躍を見せ敵を破ったシーンのインパクトが、牙突そのものの代表格ともいえる地位を獲得させたのであろう。

同時に、こうした名シーンのインパクトに加え、英語吹き替え版アニメにおいてもその人気を加速させる動きがあったようだ。英語版アニメでの牙突零式は「ガトツ ゼロスタイル」と呼称されていたが、この技名を叫ぶシーンにて、妙に勢いのある発音で放たれた「ガトチュ ゼェロスタイル」という台詞回しが日本国内において一部のコアなファンの耳に残り、これがじわじわと熱い人気を集めるという現象が起こった。

一般的に英語圏の人にとって「ツ」の発音は難しいとされているが、零式を放つシーンでひときわ大声でこの技名を叫んだことから、思いがけず「ガトチュ」という印象的なパワーワードが誕生してしまったのである。

これと零式がセットで語られることが多いことから、牙突零式の知名度が一段と高まったようだ。海外においても高い評価を得る作品だからこそ起きた、なんとも愛すべき現象である。

まさかの銀魂に登場?零式ならぬオギノ式とは

上記のように「るろうに剣心」は海外でも親しまれている作品であるが、日本国内においても何世代にもわたり愛されているということは言うまでもなく、後進の漫画家にもファンが多いことで有名だ。

後進世代の一例として、「銀魂」の作者空知氏も「るろうに剣心」のファンであり、銀魂の作中においてたびたび牙突を登場させるほどである。中でも話題を集めたのが「てめェの牙突オギノ式と俺のクズ龍閃 どっちが速ェか勝負するか」というセリフだ。

「るろうに剣心」を知らない世代の読者は混乱したようだが、これは言うまでもなく「るろうに剣心」へのオマージュである。クズ龍閃は「るろうに剣心」の主人公緋村剣心の必殺技「九頭龍閃(読み:くずりゅうせん)」の語感をそのままもじったものであり、一方の「牙突オギノ式」は斎藤一の「牙突 ○○式」にアレンジを加えたものだ。

「○○式」という本家の定型に収まる単語として登場した「オギノ式」だが、念のために補足しておくと、これは妊娠法の一種である。妊娠しやすいタイミングを割り出し、ピンポイントにその時期を狙って妊娠の計画を立てるという主旨の説であるが、この「ピンポイントに狙う」という考え方と、一点を狙い撃つ「突き」という技のニュアンスに絶妙な親和性がある点は、なんとも冴えたギャグセンスであると言えよう。

また、このセリフを放ったのが銀魂の作中に登場する「真選組(新選組をベースにした銀魂独自の設定)」のメンバーであるという点も見逃せない。

この牙突オギノ式は当然のことながら本家には登場しないオマージュネタであるため、この点は誤解の無いように理解しておこう。

妊娠法というデリケートなテーマを取り入れ若干の下ネタ感が否めない以上、牙突オギノ式という技名を大声で叫ぶのは冗談であっても控えたほうがベターだ。後進作家からの熱い支持の一例として、ニンマリする程度にとどめておこう。

総括:牙突は世代を超えて愛される技!

牙突という技を多彩な角度から紹介してきたが、そもそもこの原型となっている「突き」という剣技は「死に太刀」とも呼ばれているということをご存じだろうか。

これは、突きという技は「命中しても外しても、打ち手は次の動作に移りづらい」という弱点を指摘する考え方だ。突きを繰り出した後の隙を狙われればあっけなく敵に倒されてしまうという、死に直結するリスクを孕んでいることを指す。つまり、突きは打ち手にとっても命がけの技であるのだ。

一方で、突きはその奇襲性や危険度の高さから、実際の剣道シーンにおいてジュニア部門の試合では基本的に使用が禁止されており、大人の部においても礼を重んじる観点から自主的に使用を控える剣士が多い。とはいえヒットすれば目の前の敵にはほぼ確実に勝てるため、「なりふり構わず勝ちにこだわる場合においては非常に有効」という、複雑な多面性のある技なのだ。

こうしたことから、作中においてこの突きという技を極め、牙突という名を高らかに叫びこの技一辺倒で生きてきた斎藤一という人物は、自身の剣技や勝利にこだわる精神面での強さ、そして何よりこの技そのものに絶大な自信を秘めていたことがわかる。

同時に、奇襲としての側面が損なわれるにもかかわらず牙突という技を己の名とともに知らしめ、堂々たる構えを見せる姿は、自身の正義を貫く誇り高い武士としての一面もあらわしていると言えよう。

さらに言えば、斎藤一が新選組の生き残りとして明治という新たな時代を生きるキャラクターであるという点も、注目しておきたいポイントだ。同じく新選組の土方歳三は、勝ちにこだわるなりふり構わぬ戦い方が史実としても有名であり、敵に砂をかけて目つぶしを行うといった類の豪快な戦い方はしばしば語り草となる。

さらに沖田総司は、先に述べた通り三段突きの名手、つまり斎藤と同じく「突き」に長があった。つまり、「突きという技を堂々と掲げて勝ちをもぎ取りに行く」というスタイルの斎藤一の牙突は、こうした新選組の遺志とも呼べる要素を備えているとも考えられる。

つまり牙突は、なりふり構わず勝利に突き進みつつも己の正義を貫く新選組の一員としての武士道、そしてこの技に絶対の自信を持つ斎藤一自身の鋼の精神といった人間性を端的に表しているのだ。

「明治という新たな時代をたくましく生きぬく新選組の生き残り」という概念の象徴こそが、牙突の本質であると言えよう。

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