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合気道とは最強武道が牙を抜き演武となったものである【やらせなし】

あなたは「合気道」を明確にイメージする事が出来るだろうか。

柔道や剣道、空手などはすぐにそのスタイルを思い浮かべる事が出来るだろう。

しかし、合気道についてはぼんやりしたイメージしかない、のではないだろうか。

武具を使用している様子はなさそうなので剣道とは明らかに違うが、柔道のようでもあり空手のようでもあり、考えるほどに中途半端な気持ちになってくるのだ。

なぜこのように中途半端な気持ちになるのだろうか。
試合を見た事がないからだろうか。

そう思い少し調べてみると、なんと合気道には試合がないらしい。
それだけでも驚きである。

武道でありながら試合がない。合気道とは何とミステリアスな武道であろうか。

そこで今回は、このミステリアスな合気道という武道についていろいろと調べてみたいと思う。

合気道

記事の内容

  • 合気道とは「総合武道」
  • 合気道には10個も流派がある
  • 合気道の創始者:植芝盛平
  • 塩田剛三は合気道界の「神様」で「変人」
  • 一目瞭然!動画で合気道を見てみる
  • 合気道の有名な技ってどんな技?
  • 合気道のメリット
  • イラストで合気道の技がカッコよく決まった所を見てみる
  • 女性でもやりやすい合気道の技はどんなものがある?
  • 合気道での基礎練習のやり方
  • 合気道の達人になると、総合格闘技の達人もボコボコにできる!?
  • 合気道のなぜ?に答える
    合気道で道着だけの人と袴を履いている人がいるのはなぜ?
    試合のない合気道で段位はどのようにとるのか
    合気道の達人は人を飛ばせるって本当?
    合気道では「やらせ」が当たり前!?
    合気道は喧嘩にも通用するほど強いのか
  • 総括

合気道とは「総合武道」

合気道とは

合気道は、大正末期から始まった、日本古来の柔術や剣術に精神哲学をプラスした総合武道である。

合気道という言葉は「天の気に合する道」という意味なのだそうだ。

合理的な体の使い方をする事によって、相手の体格や体力に関係なく相手を制する(勝つ、倒すという言葉は使わないようである)事が出来る、という武道である。

稽古を通して自分自身を鍛え、自然との調和や世界平和へ貢献する事を目的としている。

また、合気道の技を通じて人間同士の対立をなくし、自然や宇宙との和合を目指すそうである。

というわけで、激しい戦いで勝敗を決する武道とは明らかに異なっており、それが合気道を今一つ掴みどころのないものにしていると思われる。

精神性を重視している事から、心身の鍛錬を目的に、戦時中は合気道が軍隊の訓練に使用された。

合気道は、対する相手というよりも自分自身に向き合う武道、と言えるだろう。

合気道の流派は10

合気道には10個も流派

掴みどころのない武道であるせいか、解釈もかなり幅があり、合気道には10個の流派が存在する。
「開祖」とも呼ばれている合気道の創始者は植芝盛平という武道家である。

この人物の超人的な合気道のエピソードは数多くあるが、その創始者植芝盛平の合気道を継承しているのが合気会である。

そして、植芝盛平の弟子たちがその教えを受け継いで興した流派が養神館と心身統一合氣道と岩間流合気道である。

他に、基本的に試合をしない合気道であるが、乱取りの試合形式を設け、自衛隊の合気道の流派となっている日本合気道協会や、合気道だけではなく、その他の武道もミックスした総合武道としての養正館、剣術や短刀術などの武器を用いた術もある合気道S.Aなど、バラエティに富んでいる。というより、正統派が薄れてしまいそうなほどの解釈の幅広さである。

これらの多様性をもつ流派が切磋琢磨し合って、現在の合気道界を支えている、と言えるだろう。

創始者:植芝盛平

合気道の創始者は和歌山県生まれの植芝盛平と言われている。

小さい頃は病弱な子どもで、大きくなるにつれて「強くなりたい」と思うようになり、いろいろな武道の修行を積んでいく。

そうして身につけた自分の日本武道の精髄を元にして作りだしたのが合気道である。

合気道は試合をせず、自己の心身の鍛練のみを目的とした画期的な武道だ。

植芝盛平は86歳で亡くなるまで、世界中に合気道を広めていった。

植芝盛平の合気道は人間業とは思えない技が多く、相撲取りを投げたり、銃弾を避けたりといった多くの武勇伝が残っている。

塩田剛三は合気道界の「神様」で「変人」

塩田剛三は、前述した流派のうち養神館合気道を設立した、植芝盛平の弟子の中で最も有名な人物である。

合気道の創始者植芝盛平は合気道界では「開祖」と呼ばれているが、この塩田剛三は合気道界の中でも「不世出の達人」「神様」と呼ばれている。

あまりにも超人的な強さを持つ塩田剛三については逸話が多い。

自動車にはねられそうになるも、無傷でかわしたとか、ケネディ大統領のボディーガードを一瞬で制した、などである。

その反射神経を養うための訓練が「水槽の中の金魚の動きに合わせて左右に動く」というものであり、これを8年に渡って続けたというもので、このような独創性から「変人」とも呼ばれている。

「日常、すなわち武道」を信条としていた塩田剛三は、道を歩いていても一分の隙もなかったと言われている。

養神館設立に際しては、植芝盛平と別れる形になった為、しばらく気まずかったようであるが、実際に合気道というものを広く世に知らしめたのは塩田剛三である。

塩田剛三は昭和16年頃から佃清六元帥の秘書を務めたり、戦後は実業家田中清玄の秘書を務めたりで財界や政界に人脈があり、彼らの後押しで養神館合気道を設立している為、さまざまな場所で演武を披露する機会を得ることができた。

合気道を世間に広めた功労者と言えるだろう。

塩田剛三は合気道界の「神様」で「変人」

ここで合気道の動画を2本見てみる。

合気道とはこのようなものなのだ、と一目瞭然でお分かりいただけるだろう。

ケネディ大統領のボディーガードを制した映像

ケネディ大統領のボディーガードを制した映像

どうだろう。これが合気道である。

体の構造や、使い方をとことんまで追究し、相手の力を使いこちらは最小限の力で相手を制し、相手の戦意を喪失させるところに合気道の極意があるように思う。

「技を通じて相手との対立をなくす」これらの画像で感じて頂けただろうか。

合気道の有名な技5つ

動画で見て頂いたように、合気道というのは柔道のように、こちらから技をかけにいくのではなく、相手の力を利用して相手を制するものである。
そこに、技らしい技というのは存在するのだろうか。

一説によると、合気道の技の数は2,800以上と言われている。
しかし、基本の技は5種類で、あとはそこから派生していくものらしい。
なので、基本の5種類の技が、イコール有名な技という事になるであろう。

基本の5種類の技は次の通りであり、動画で見たほうが理解しやすいと思う。

合気道の有名な技

1. 一教(二~四教)

一教(二~四教)

2. 四方投げ

四方投げ

3. 入身投げ

入身投げ

4. 天地投げ

天地投げ

5. 小手返し

小手返し

一教は、大変地味な技であるが、相手の体格や打ち込みどころに合わせて少し体をずらしたり、重心の位置を変えたりと、目に見えない修正をしているという。

相手の力を利用して技を繰り出すため、相手の出方に対して瞬時に微調整を行い、最大限に相手の力を利用しないと、相手に制されてしまうのだ。

これはなかなかできる事ではない。合気道を極めるほどに、こうしたシンプルな技の奥深さが面白くなってくるらしい。合気道の魅力はこうした所にあるようだ。

しかし、この魅力は見ているだけの私達にはなかなか伝わりづらく、残念なところではある。

合気道をするメリット

合気道を学ぶことで、さまざまなメリットが得られる。

合気道の技は足腰を落として行うため、身につけていく上で足腰が強化されていく。現代人は足腰が弱い人が多いため、合気道をすることで弱った足腰を鍛え直すことができる。

合気道の師範は高齢でも元気な人が多く、世界中を飛び回って指導をしている。そういった様子を見ても、合気道が足腰強化に役立つとよくわかるだろう。

また体を守るのにも合気道は役立つ。

体を守るといっても護身術のような大げさではなく、何かあったときにとっさに受け身を取れることが増えてくる。

たとえば、人や自転車がぶつかりそうになったときに自然と避けられることが増えてくる。そういったケガにつながるシーンで合気道が役立つことが多い。

合気道は正しい姿勢で稽古を行う。

これは形式美のためではなく、正しい姿勢でないと技がかからないからだ。

合気道を始めた頃は練習の間だけ意識して姿勢を正すようになるが、長く稽古を続けると、普段の生活の中でも自然と正しい姿勢ができるようになる。

そうすると立ち方や歩き方が美しくなるし、体の調子もよくなってくる。

合気道で心身の鍛練を行っていくと、体が鍛えられるだけでなく、自分の心も強くもてるようになる。

合気道は自己鍛錬が目的のため、稽古中は自分の心としっかり向き合うことができる。

海外では「moving zen(動く禅)」とも呼ばれるほどで、自分の心が鍛えられる効果も期待できる。

合気道を始めるようになって心に余裕ができたという感想も多い。

イラストで技がカッコよく決まった所

イラストで合気道

イラストで合気道

イラストでは、女性が男性を投げ飛ばしている。

相手の力を利用して技を繰り出すため、性別や若さは関係なく、そういう意味では合気道は「今どきの武道」とも言える。

こんなふうに技を繰り出すことが出来れば空手や柔道に引けを取らないカッコよさをみせる事が出来るはずの合気道。
このカッコよさが広く知られてほしいものである。

女性でもやりやすい技は?

合気道は、相手の力を利用・コントロールして技を繰り出すので、非力であっても特別問題はないようである。したがって、女性ならではという技は特にない。

よく、女性の護身術に合気道が良いなどとテレビでも特集され、技のさわりだけを放映する、という事がある。

合気道と言うと「ああ、あの護身術の」などと言う人もいるが、これまで述べた事からすると、それは間違いであるという事がお分かりいただけるだろう。

合気道は相手の力を利用して技を繰り出す。例えば暗闇の中で相手がどこから出てくるか分からないのに、その力を瞬時に最大限に利用して自分の技を繰り出すなど出来るものではない。

また、相手と対峙していたとしても、緊急事態の際に、相手の体格等を見極め、微調整を加えて…など、素人にできるわけがない。

「女性でもやりやすい技」というと、護身術の意味合いが含まれるように思うが、合気道は護身術とは違うのでご注意願いたい。

女性でもやりやすい合気道の技

合気道での基礎練習のやり方

合気道での基礎練習のやり方

合気道での基礎練習には、道着を着て行うものもあるが、日常生活の中で出来る基礎練習も存在する。電車、街中でできるようなものである。

合気道に少しでも親しみを感じてもらえるよう、電車、街中で出来る基礎練習について挙げてみたいと思う。

①電車やバスなどの揺れを利用して重心の間隔を鍛える

電車やバスなどの揺れは、バランスや体幹を鍛えるのに役立つ。

吊革から手を離すと危険なので、吊革はゆるく持ち、膝を柔らかくして揺れをうまくかわす訓練をすると良い。

急停車や横揺れの時もうまくバランスを保てるようになれば、稽古にも役に立つであろう。

②街中を利用して障害物を避ける感覚を鍛える

よそ見をしていて人にぶつかる事は街中ではよくある事だが、これも訓練にはうってつけの環境と言える。

視点を遠くに持っていき、視野を利用して人や物にぶつからないようにする。

この感覚を鍛えると、実際の稽古でも相手の手の動きなどに惑わされる事なく、技を繰り出すことができるようになるであろう。

他に、街中で体捌きを使ってすれ違う相手とぶつからないようにする訓練もあるが、これはさりげなく出来る訓練ではなく、街中では目立ってしまうので、勇気のある人は試してみるのも良いかもしれない。

達人になると、総合格闘技の達人もボコボコにできる!?

合気道の達人

合気道は、技を通じて対立をなくす事を旨とした武道なので、相手をボコボコにする、といった状態にはならない。

そして、達人であるかどうかにかかわらず、合気道は、相手の力を利用して技を繰り出すので、理論的には技が強くなるかどうかは相手次第、と言える。

合気道の神様塩田剛三が70歳を過ぎた頃、当時22歳の総合格闘家岩倉豪と手合わせをする機会があった。岩倉豪は左肩を外され、その場で塩田剛三に弟子入りを志願するほどの衝撃を受けたらしい。

その塩田剛三も、植芝盛平に弟子入りを志願した時は、格闘家として頭角を現し始め、若気の至りで年寄りを軽んじ、開祖植芝盛平との手合わせで壁まで跳ね飛ばされた結果であった。

塩田剛三も、その場で植芝盛平に弟子入りを志願しているので、技を受けた側というのはとてつもない衝撃を心身共に受けている事がわかる。

そして、技を通じて対立をなくす、という理念も叶っているわけである。

植芝盛平や塩田剛三には、こうしたエピソードに事欠かない。

ただ、合気道は自分から仕掛けにいくような派手な技がないので、地味な印象になりがちな所が残念である。

合気道のなぜ?に答える

ここまで合気道について述べてきた。興味を持たれた方もいるだろうが、興味を持てばもつほど疑問点も増えていくものである。

そこで、いくつかの合気道のなぜ?に答えてみたいと思う。

合気道のなぜ?に答える

道着だけの人と袴を履いている人がいるのはなぜ?

一般に袴を穿くことが許されるのは、男性で初段。女性で3級以上の級段位を持っている人に限られる。

袴を穿く目的は、相手に足捌きを見られないようにし、手の内を探らせないようにする為なので、足捌きの指導を必要とする初心者には、袴はまだまだ早いという事である。

合気道の袴は馬乗り袴と呼ばれる種類のもので、「羽織と袴」の袴と同じ形である。

素材は化学繊維、木綿、めったにいないが絹の袴も存在するらしい。
扱いやすいのはやはり化学繊維であり、色は黒か濃紺の二択だが、濃紺を選ぶ人が多いようである。

合気道と袴

試合のない合気道で段位はどのようにとるのか

級位や段位は、稽古日数をクリアした後、所属する道場の師範の許可をもらい、本部道場で審査を受ける。

審査の内容はズバリ「演武」で、技の形を披露して、その出来栄えで審査をするというものである。

初段までは比較的順調に取れるが、そこからの昇段はなかなか難しいものらしい。

神様塩田剛三でさえ、当時最高位である九段の免状をもらったのは、入門して30年もしてからであった。

合気道で段位

「やらせ」が当たり前!?

合気道には試合がない。
なので、私達が映像で見かけるものは「演武」である。

「やらせ」というわけではないが、試合ではないので、型を演じ、演じた時の受け身も演武に含まれている。

この演武の美しさ、正確さが昇段の審査でもあるので、意図的なやらせとは根本的に異なる。

本気で合気道を行ったのであれば、信じられないほどの超人的なエピソードが並ぶ事になるわけだが、催眠術と一緒で、かかった人にしか衝撃はわからない。

誠に残念な話である。

合気道では「やらせ」が当たり前

喧嘩にも通用するほど強いのか

合気道は、「喧嘩に通用」などというレベルではなく、本気で使用したなら喧嘩にもならないくらい、瞬時に決着がついてしまうほどの破壊力を秘めた武道であった、と言える。

しかし、現在は演武の美しさを追究する武道になっているので、実践としての喧嘩に使われることはない。

相手のエネルギーを利用して技を繰り出す、という事はおのずと相手が敵わない技が生まれるという仕組みである。合気道はひょっとしたら無敵なのかもしれない。

合気道は喧嘩にも通用するほど強い

総括:合気道とは、最強武道が牙を抜き、演武となったものである

植芝盛平が合気道を興した時は、国が戦争に利用したくらいに隆盛を極めた武道であった。

その後塩田剛三により、合気道の何たるかが整備され、対立をなくす為の武道と位置づけられ、演武として各所で披露するようになり、「本気の合気道」は影を潜めていくことになったため、植芝盛平と塩田剛三のエピソードだけが残るようになってしまった。

こうして、武道でありながら「合気道は本当に強いのか」という疑念を生じさせるような、ミステリアスな武道になってしまった。

下手な演武を見れば、確かにやらせにも見えるだろう。
そして、演武化した今、合気道は実践としての護身術として使えるものでもない。

しかし、合気道の歴史と、「本気でやったら植芝盛平や塩田剛三みたいな伝説が作れる、かも知れない武道である」という誇りを胸に、まずは袴が着用出来るようになるまで打ち込んでみるのも良いのではないだろうか。

なお、合気道について更に踏み込んで理解したい場合は、次の論文が参考になるだろう。

合気道における体の転換の動作分析:古谷修

合気道とは、最強武道が牙を抜き、演武となったもの

 

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