漁業権はおかしい?結論、おかしくはない:海の恵みは漁師たちのお陰

日本国内では漁業権というものがあり、好き勝手に魚や貝といった魚介を取ってはいけないことになっている。

そうした事情を知らずに釣りや潮干狩りをすると密猟になってしまい、逮捕されてしまう可能性も十分にある。

ここでは漁業権とはそもそもどんなものなのか、漁業権を侵害しないためにはどうしたら良いのか、どうやって漁業権があるかどうかを調べることができるかについて詳しく解説していく。

釣りが趣味だという人は、ぜひ目を通して欲しい。

漁業権 おかしい

漁業権はおかしい・・

  • 結論:おかしくはない
    海の恵みは漁師たちのお陰
  • そもそも漁業権とはどんな権利か
  • 漁業権を取得するには?
  • 漁業権の種類について
  • 漁師になるには漁業権が必要?
  • 魚釣りで漁業権を侵害しないために
  • 漁業権はおかしい?もし侵害してしまったら
  • 漁業権があるところで釣りをするには遊漁券が必要
  • 漁業権を侵害して逮捕された場合の流れ
  • 漁業権の確認方法

漁業権はおかしい?そもそもどんな権利か

漁業法では、漁業権は「一定の水面において特定の漁業を一定の期間排他的に営む権利」とされている。

一般の人が無断で漁をすることを禁止することで、乱獲されて水産資源が枯渇することを防止したり、漁業で生計を成り立てている人の生活を守ったりする役割がある。

このような漁業権に基づく漁業を営む権利を侵害する行為は、漁業法第195条に基づく漁業権侵害罪に該当することがある。

漁業権は、日本各地にある漁業協同組合によって管理されている。

参照:漁業権について | 水産庁

漁業権を取得するには?

漁業権を取得するためには、まず漁業協同組合に加入する必要がある。

加入するための条件は、それぞれの漁業協同組合によって異なる。

数十万円の出資金が必要であったり、売上の一部を支払ったりといった取り決めに従う必要がある。

また、漁業に従事する意志や実績、その土地に定住することが条件の場合もある。

漁業権の種類について

漁業権は大きく分けると以下の3種に分けることができる。

  1. 定置漁業権
  2. 区画漁業権
  3. 共同漁業権

定置漁業権は、一定期間、一定場所に網やその他の漁具を敷設して漁業を営む権利である。

区画漁業権は、一定の区域内で水産動植物の養殖を営む権利で、さらに以下の3種類に分けられる。

  1. 第一種区画漁業
  2. 第二種区画漁業
  3. 第三種区画漁業

養殖するものによって、種類が分かれている。

共同漁業権は、一定地区の漁民が、一定の漁場を共同に利用して漁業を営む権利である。こちらは以下の5種類に分かれている。

  1. 第一種共同漁業
  2. 第二種共同漁業
  3. 第三種共同漁業
  4. 第四種共同漁業
  5. 第五種共同漁業

参照:漁業権 | Wikipedia

漁師になるには漁業権が必要?

職業によっては免許が必須であることが多いが、漁師になるための免許というのは特に定められているわけではない。

ただ、実際に船に乗って海に出るとすると、いくつかの資格や免許が必要になってくる。

まず必要になる資格は「小型船舶操縦士免許」だ。

小型船舶操縦士免許があると、20トン未満の小型の船を操縦できるようになる。

漁師になるには漁業権が必要?

小型船舶操縦士免許は、通称「ボート免許」とも呼ばれており、海域内のルールや気象の知識、救助の方法などについての知識が要求される。

自動車免許証のようなもので、これがないと船を操縦することができない。

小型船舶操縦士免許には以下の3つの区分がある。

  • 一級
  • 二級
  • 特殊

一級を取得するためには満18歳以上である必要がある。それ以外の2つは満16歳以上から取得することができる。

免許を取得するには試験期間で講習や試験を受けるか、学校に入校して免許の取得を目指す必要がある。

独立して漁師としてやっていく際には必ず必要になる免許だ。

親方漁師のもとで働く場合であっても、自分で免許を持っていた方が仕事の幅が広がるため、取得しておいて損はない免許である。

小型船舶操縦士免許の他に、大切なのが「海上特殊無線技士免許」だ。

船に乗って海に出ると無線による情報交換が重要になる。

たとえば、他の船に天候の荒れを伝えたり、トラブルがあったときに救助を呼ぶのにも無線が必要だ。無線がないと、命に危険が及ぶ場合もある。

第2級海上特殊無線技士を取得すれば、国内での航海で無線が使えるようになる。さらに第1級海上特殊無線技士を取得すれば、海外でも無線が使えるようになる。

海上特殊無線技士免許を取得するためには、国家試験に合格したり、養成課程を修了したり、学校で無線通信に関する科目を履修する必要がある。

小型船舶操縦士免許と海上特殊無線技士免許があれば、自分で船を操縦して、魚を捕りに行けるようになる。

しかし、その魚で商売をするためには漁業権が必要だ。

漁業権に加入するための条件や支払う金額は、その土地の漁業協同組合によって異なる。

そのため、個人事業主としてやっていくためには「小型船舶操縦士免許」「海上特殊無線技士免許」「漁業権」の3つが必要となる。

魚釣りで漁業権を侵害しないために

魚釣りが趣味という人は少なくない。

釣りは釣り道具さえあれば誰でも簡単に始められるため、大人になってから始める人も多い。

いつどこでやるのも自由と思われがちな釣りだが、実は区域や魚介の種類によっては漁業権を侵害してしまう恐れがあるため注意が必要だ。

まず川釣りの場合、区域によっては特定の魚介を釣ることが禁止されている。

こういったところで釣りをしたい場合、漁業権を所有している漁業協同組合から遊漁券を購入することが一般的だ。

勝手に釣りをしてしまうと、法律に違反してしまうため注意しよう。

海釣りの場合、漁業権が設定されている地域で、アワビやサザエといった貝類、またはワカメなどの海藻類を取ることが禁止されている。

潮干狩りをする際には、漁業協同組合に入漁料を支払うことで初めて貝類が取れるようになる。

それに対して、手釣りや竿釣りで魚を捕る行為は、基本的には制限されていない。魚は漁業権が及ぶ範囲も及ばない範囲も自由に泳ぐため、所有がはっきりしないためだ。

もちろんだからといって、海釣りならばどんな場所でしてもいいというわけではなく、都道府県の規則によって魚を釣ることが禁止されている場合もある。

魚釣りで漁業権を侵害しないために

漁業権はおかしい?もし侵害してしまったら

もし魚釣りによって漁業権を侵害してしまうと、どのような罰則が適用されるのだろうか。

漁業法に違反した場合の罰則は、違反類型によって定められているが、単純に漁業権を侵害した場合の罰則は、20万円以下の罰金と定められている。

漁業権はおかしい?もし侵害してしまったら

漁業法
第百四十三条  漁業権又は漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害した者は、二十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪は告訴がなければ公訴を提起することができない。

引用:漁業法

漁業権の侵害は、親告罪である。

親告罪とは、被害者からの告訴がなければ、検察が起訴することができない犯罪のことだ。そのため、捜査機関が単独で捜査を進めることはできない。

つまり、たとえ漁業権を侵害したとしても、漁業権を有する組合や組合員が被害を訴えない限り、立件されることはない。

海辺で魚釣りをしていて漁業権に反することはまずないだろうが、船を出して沖で釣りをする場合、意図せず漁業権を侵害してしまう可能性は十分にある。

心配な場合は、管轄の漁業協同組合や水産課に問い合わせてみることをおすすめする。

漁業権があるところで釣りをするには遊漁券が必要

遊漁券とは、漁業協同組合が発行している釣り券のことである。

漁協が発行するほとんどの券には「遊漁承認証」と書かれている。

呼び方はさまざまなで、遊漁証、鑑札券、入漁券などと呼ばれることもあるが、遊漁券、つり券と呼ばれることが多い。

河川で釣りをする場合は、遊漁券を買わないと密猟になってしいまう恐れがある。

では、川はみんなのものであるはずなのに、どうして川釣りでお金がかかるのだろうか。

遊漁券に支払われたお金は、放流費用や漁場の管理費に充てられている。

漁協の人が魚を放流してくれたり、産卵場を整備してくれたり、河川清掃をしてくれたりするおかげで、安全で快適に釣りを楽しむことができるようになっているのだ。

遊漁券は、各漁協の遊漁規則によって決められた販売店で購入することができいる。販売店の一覧は漁協が運営しているホームページやパンフレットで確認することができる。

遊漁券のデザインは、漁協によって異なる。各漁協でデザインを決め、紙質や色なども決めている。紙以外では、腕章や木札、カード、ニット帽といった遊漁券もある。

漁業権を侵害して逮捕された場合の流れ

漁業権を侵害して逮捕されてしまった場合、まず最大48時間にわたって警察による取り調べが行われる。

その次に検察庁に事件が送致されて、それから24時間以内に勾留の要否が判断される。

検察官が勾留が必要と判断した場合、裁判所に対して勾留を請求する。これに対して裁判所が認めると、最大10日間の勾留となる。

さらに捜査が必要な場合には検察官が裁判所に対して勾留の延長を請求して、そこからまだ最大10日間勾留されることになる。

そのため、警察や検察の捜査と勾留期間を合わせると最大で23日間で起訴という流れになる。

起訴されてしまうとほぼ有罪になってしまうため、この間にどうするかが重要になってくる。

不起訴処分を得るためには弁護士の手を借りる必要がある。

被害者と示談で話をまとめることができれば、告訴を取り下げてもらえることもあるため、弁護士のサポートが重要になってくる。

もし、友人や知人が漁業権の侵害で逮捕されてしまった場合は、まず弁護士に相談してみることをおすすめする。

漁業権の確認方法

その区域に漁業権があるかどうかは、海洋状況表示システムで確認することができる。

海洋状況表示システム

  1. トップページある「入口」をクリック
  2. すべてのゴミ箱マークをクリックして表示リストを空にする
  3. 「水産」をクリック
  4. 「漁業権」をクリック
  5. 「区画漁業権」「定置漁業権」「共同漁業権」を選択

こうすることで漁業権が設定されている地域を表示することができる。

総括:漁業権はおかしいわけではない

魚や貝は自然にあるものなのに、取れる人が決まっているのはおかしい、ずるいと考える人もいるかもしれない。

しかし、こうした漁業権が主張されている場所は、漁師たちが努力して守っている場合がほとんどだ。

外敵がこないように網を張ったり、外来種が繁殖しないように駆除したり、海藻が生えやすいような環境を整えたりと、一般の人が知らないところで、さまざまな手間がかかっている。

そういった努力の結果、ようやく収穫できるわけだ。

そんな事情もまったく知らないで、ただで貝や海老、ウニなどを捕っていったら、それは道理が通らないだろう。

また、心ない人が根こそぎ海産物を取っていったら、そこで生計を立てている人は生活できなくなってしまう。

そうした事態が起こらないためにも漁業権によって、漁師たちの生活を守っているのだ。

そう考えれば漁業権がおかしいとは思えないだろう。

 

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