普段から体重のことを気にしている人は多いだろうが、筋肉量までを考えている人は少ないかもしれない。とにかく体重を減らすことばかり考えていると健康にもよくないし、ダイエットの効率も悪くなってしまう。
私たちの身体についている筋肉は、日常生活の中でもカロリーを消費している。そのため、筋肉量が多くなれば多くなるほど、代謝や血行がよくなり、効率良く痩せることができる。
反対に体重を減らすことで筋肉量まで減らしてしまうと、逆に太りやすくなってしまうのだ。がんばってダイエットをした結果、より太りやすくなってしまったら本末転倒である。
また、筋肉量は20歳くらいまでは増えて続けていくのだが、それからは少しずつ減っていってしまう。年齢を重ねるごとに太りやすくなってしまう原因はこういったところにもある。
ここでは筋肉量の定義や、どのくらいの筋肉量が適切なのか、どうやって筋肉量を増やせば良いのかについて詳しく解説していく。
記事の内容
- 筋肉量と筋肉率について
- 年齢別の筋肉率の平均値
- BMIから見る筋肉量
- 筋肉量から筋肉率を求める
- 体重50kgの女性の筋肉量はどのくらい?
- 体重50kgの男性の筋肉量はどのくらい?
- 体重50kgの平均筋肉量と平均筋肉率
男性の平均・女性の平均 - 筋肉量が減ってしまう理由3つ
① 運動不足
② 栄養不足
③ 加齢 - 筋肉量を増やす方法
- 筋肉量と筋肉率の両方が低い人
- 筋肉量が少なく、筋肉率が高い人
- 筋肉量が多く、筋肉率が低い人
- タニタの体組成計だと50kgの筋肉量がいつもと違う?
- 総括
筋肉量と筋肉率について:筋肉量50kgの前に学ぼう
我々の身体は、筋肉や脂肪、骨、水分などで構成されている。筋肉は心臓を初めとした内臓を動かしたり、姿勢を保ったり、さまざまな働きをしている。私たちは筋肉があるからこそ、生きていられるわけだ。
健康に生きるためにはもちろん、美しいボディラインを目指すためにも適切な量の筋肉が必要になってくる。そのためにはまずどのくらいの筋肉が自分に必要なのかを知っておかなければならない。そこで役立つのが筋肉量と筋肉率だ。
筋肉率とは、身体の中の筋肉の割合のことである。
年齢別の筋肉率の平均値
男性 | 女性 | |
20代 | 44% | 39% |
30代 | 37% | 37% |
40代 | 34% | 33% |
50代 | 31% | 30% |
60代 | 29% | 26% |
70代 | 25% | 23% |
平均値を見るとよく分かるのだが、筋肉率は年齢を重ねるごとに、男女を問わずに減っていってしまう。年齢を重ねることで筋肉が減ってしまうのは、ある意味、自然現象であるとも言える。
BMIから見る筋肉量
筋肉のことを考える上で、知っておきたいのがBMIだ。BMIとは、Body Mass Indexの略で、ボディマス指数とも呼ばれる。体重と身長さえ分かれば計算でき、肥満度を表す指標として国際的に用いられている。
BMIは、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求めることができる。
計算方法は世界共通だが、どの値から肥満にするかの基準は国によって異なる。たとえばWHO(世界保健機構)では、BMIが30以上になると肥満と定義している。日本肥満学会では、18.5未満が低体重、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満となり、さらにその度合いによって肥満1から肥満4に分類される。
BMI22が標準体重で、もっとも病気になりにくいと言われている。
BMIを求めると、おおよその自分の筋肉量を求めることができる。実際に計算してみて、平均と比べて多いか少ないかを確認してみてほしい。
筋肉量から筋肉率を求める
自分の身体にどのくらいの筋肉があるのかは、筋肉量を使って求めることができる。
- 体重×体脂肪率=体脂肪量(まず、体脂肪量を求める)
- 体重-体脂肪量=除脂肪体重(その後、体重から体脂肪量を引く)
- 除脂肪体重÷2=筋肉量(除脂肪体重を2で割る)
- 筋肉量÷体重=筋肉率(筋肉量を体重で割ると筋肉率が求められる)
体重50kgの女性の筋肉量はどのくらい?
30代で体重が50kgの女性の筋肉量と筋肉率がどのくらいなのか具体的に計算してみよう。体脂肪率は18%とする。
- 50kg×18%=9kg
- 50kg-9kg=41kg
- 41kg÷2=20.5kg
- 20.5kg÷50kg=0.41
計算の結果、筋肉量は20.5kg、筋肉率は41%であることが分かる。30代女性の平均筋肉率は37%のため、平均よりも高いことになる。
体重50kgの男性の筋肉量はどのくらい?
今度は60代で体重が50kgの男性の筋肉量と筋肉率がどのくらいかを計算してみよう。体脂肪は25%とする。
- 50kg×25%=12.5kg
- 50kg-12.5kg=37.5kg
- 37.5kg÷2=18.75kg
- 18.75÷50kg=0.375
計算の結果、筋肉量が18.75kg、筋肉率は37.5%となった。
体重50kgの平均筋肉量と平均筋肉率
次は、体重50kgの「平均筋肉量」「平均筋肉率」2つを記載しておく。
男性の平均
筋肉量 | BMIが24.9以下は22kg BMIが25以上は24kg |
筋肉率 | 30.9%以下は低い、30~34.9%は標準、 35~38.9%はやや高い、39%以上は高い |
女性の平均
筋肉量 | BMIが24.9以下は14kg BMIが25以上は17kg |
筋肉率 | 25.9%以下は低い、26~27.9%は標準、 28~29.9%はやや高い、30%以上は高い |
筋肉量50kg=筋肉量が減ってしまう理由3つ
実際に計算してみることで、自分の筋肉量や筋肉率が分かったはずだ。平均よりも多かっただろうか、少なかっただろうか。
現在の筋肉量が平均以上だとしても、簡単に減ってしまうため、油断は禁物だ。では、どうして筋肉量は減ってしまうのだろうか。
① 運動不足
筋肉量は鍛えれば鍛えるほど増えるし、使わなくなると減ってしまう。長期間の入院で、足が細くなってしまった経験がある人もいるかもしれない。
自信を持って普段から十分な運動をしていると言える人は少ないだろう。高齢になるほど筋肉量を増やすのは難しくなってくるため、定期的に運動をして筋肉をつけていくのが大切だ。
② 栄養不足
筋肉を増やすためには十分な栄養、特にタンパク質が必要になる。せっかく運動をしても、必要なタンパク質が摂れていなければ、なかなか筋肉はつかない。
ダイエットのためにと炭水化物や脂質を摂るのを控えていると、タンパク質をエネルギーとして使ったり、筋肉を分解してエネルギーにしたりと、どんどん筋肉量が減ってしまう。健康的に痩せるためには、しっかりと栄養を摂ることこそが近道なのだ。
食事だけで十分なタンパク質が摂るのが難しい場合は、プロテインなどを活用してみよう。
③ 加齢
筋肉量は20代までは増えていくが、そこからどんどん減っていってしまう。特に50代以降は著しい減少傾向にある。何も対策しないと、みるみる筋肉量が減ってしまうため、ウォーキングやジョギングといった普段からできる運動を習慣づけることが大切だ。
高齢になると、日常生活でも運動量が減ってしまうため、意識して身体を動かすようにしていきたい。
筋肉量50kg=筋肉量を増やす方法
年齢を重ねても健康に生きていくためには、筋肉量を減らさないようにすることが大切だ。
筋肉量や筋肉率を計算することで、自分の現状が分かっただろう。
ここからはは筋肉量と筋肉率のパターンごとに、おすすめの筋肉量の増やし方を紹介していく。
筋肉量と筋肉率の両方が低い人
普段から運動をする習慣がないと、筋肉量と筋肉率のどちらも低くなってしまう。こういう人は基礎代謝が低くなっており、生活習慣病のリスクも高まってしまう恐れがある。
運動習慣がない人が急にハードなトレーニングを始めると、身体を壊してしまう可能性があるため、徐々に身体を慣らしていくことが重要だ。まず基礎代謝を向上させるために筋肉量を増やす必要がある。
おすすめはランニングや縄跳びといった有酸素運動だ。こうした運動で下半身の筋肉を増やすことで、基礎代謝を向上させることができる。基礎代謝が上がれば、自然と脂肪も落ちていく。
また、自宅でスクワットなどの筋トレを行うのも非常に効果的だ。
筋肉量が少なく、筋肉率が高い人
筋肉量が少なく、筋肉率が高い人は、体脂肪量が少ないため、痩せ型の人が多い。こういったタイプは基礎代謝が低いため、暴飲暴食を繰り返したり、運動をやめてしまったりすると、急激に太ってしまう可能性がある。そのため、筋肉量を増やすためには、ある程度太ることを意識した方がいい。
卵や肉、プロテインといったタンパク質をしっかり摂りつつ、下半身を中心とした筋トレをすることで、筋肉量を増やすことができる。1回の食事であまり量を食べられない場合には、回数を増やすのがおすすめだ。食事の回数を増やすことで、胃や腸に対する負担を減らしつつ、効率良く栄養を吸収できるようになる。
有酸素運動はほどほどにして、筋肉に刺激を与えるような筋トレを中心に行っていこう。
筋肉量が多く、筋肉率が低い人
筋肉はしっかりついているものの、脂肪も多めというお相撲さんタイプは、筋肉率を上昇させるようなトレーニングをする必要がある。そのため、有酸素運動を中心に行い、どんどん脂肪を燃焼させていくのがおすすめだ。脂肪を燃焼することで、だんだんと身体がしぼれてくるため、理想の体型に近づいていく。
また、こういったタイプの人は、食事によるカロリーを摂取しすぎの場合もあるため、食生活を見直すことで脂肪が減っていく可能性が高まる。
タニタの体組成計だと50kgの筋肉量がいつもと違う?
最近では体脂肪計や体組成計などで、体重以外の数値も管理している人も多い。
さまざまなメーカーから体組成計が出ているが、他のメーカーではそんなことはないのに、タニタの体組成計を使うと「筋肉量が少ない」と指摘される場合がある。これにはいくつかの理由がある。
タニタの体組成計は他のメーカーのものに比べて、筋肉量を細かく算出することができる。筋肉量だけでなく、筋繊維にも着目しており、単純に量だけでなく、質や状態までを知ることができるのだ。
そのため、たとえ筋肉の量があったとしても質がよくないと「筋肉量が少ない」と評価されてしまうことになる。
タニタの体組成計とインボディって結構誤差ある???
ベスボ出るにあたって筋トレよりボディメイクとポージング頑張ろ pic.twitter.com/iP1rrBsels— Mii (@Mii_beauty37) April 2, 2021
総括:筋肉量50kg・理想の筋肉量をキープできる生活を
どのくらいの筋肉量が適切なのかは、性別や年代によって変わってくる。
今回紹介した計算式を使えば、自分の筋肉量がおおよそどのくらいなのかが知ることができる。現在の筋肉量が分かったならば、それに合わせたトレーニングをすることで筋肉量を増やすことができる。
何も対策をしないと、筋肉量は加齢とともにどんどん減ってしまう。また、運動不足や栄養不足も筋肉量を減らしてしまう大きな原因だ。生涯現役で暮らすためにも、しっかり栄養を摂り、普段から有酸素運動や筋トレを行っていきたい。
そうすれば理想的な体型を維持しつつ、何歳になってもアクティブに生活できるはずだ。
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