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世界一美しいミイラ3体:アンデスの少女や修道女、瞬きするロザリア

世界一美しいミイラ

火葬の国日本。亡くなった人を悼み、供養する方法は国や地域によってさまざまだが、現代の日本では実に99%が火葬されている。世界には火葬以外に、土葬・水葬・風葬などがあり、そのほとんどが宗教的概念からきているようだ。

ヨーロッパで多い土葬はなんとなく知っているが、水葬・風葬などは初めて聞く。水葬はインドなどでみられる海や川、湖に遺体を葬るというもののようだ。

風葬とはインドネシアなどの低緯度の地域でみられる遺体を埋葬せずに外気に晒して自然に還すというもの、低緯度の地域に多いのは腐敗の進行速度の関係だろう。

世界は広い、そして歴史は深い。古代エジプトでよく知られている「ミイラ」、防腐加工などを施し亡くなった時の状態のまま保存されている遺体の事をこう呼ぶ。

自然条件さえ揃えば偶然できる事もあるという、それを「自然ミイラ」と呼び、僧が仏に近づくために穀物を断ち土中などに作られた小さな室の中で座禅を組み続けそのまま絶命してできる事もある、これは「即身仏」呼ぶ。

「ミイラ」は世界各地に現存する。日本にも「自然ミイラ」や「即身仏」があり、なんと1体だけ「学術的ミイラ」というものも存在する。江戸時代の本草学者が生前に行っていた独自の研究によって自身の死後、「ミイラ」となる事に成功したのだ。

これはすごい、自らを実験体として長い間研究していたという事だ。研究結果は死後にしかわからない、つまり自身では確認できないのに。研究熱心にもほどがあるだろう。こういった「ミイラ」は確認されている限り、彼一人だ。

もうすでにかなり興味深い「ミイラ」の世界。調べてみると面白い話が多くて眠れなくなりそうだが、ここでは「世界一美しいミイラ」について語っていこうと思う。

記事の内容

  • 世界一美しいミイラ3体を画像と共に紹介
    1.ドンセラ(アンデス)
    2.ベルナデッタ(フランス)
    3.ロザリア(シチリア島)
  • 世界一美しいミイラそれぞれが持つ驚きのエピソード
    ドンセラは生贄として神にその命を捧げた少女たち
    ベルナデッタは奇跡の泉の発見者である修道女
    ロザリアは瞬きをする!?
  • 個人的「世界一美しいミイラ」はドンセラ

世界一美しいミイラ3体を画像と共に紹介

「世界一美しいミイラ」といっても「美しさ」の感性は人それぞれだ。

そもそも外見で判断するのか、中身…ここでの場合は性格や考え方といった点ではなく単純に「内臓や血管の保存状態やその方法」で判断するのかによっても違ってくるだろう。

なのでいくつかの「美しいミイラ」を紹介しようと思う、「世界一」は各々の基準で決めていただきたい。

世界一美しいミイラ3体を画像と共に紹介

1.ドンセラ(アンデス)

ドンセラ(アンデス)

15歳の少女、ドンセラ。彼女が「世界一美しいミイラ」として発見されたのは1999年、場所はアルゼンチンとチリの国境に位置する「ユヤイヤコ山」。標高6723mのこの山の山頂に彼女はいた。

通常「ミイラ」というのは脳や内臓を除去したうえで遺体を塩漬けにして乾燥させ防腐剤を塗り除菌…更には布で巻いて完成させる事が多いはずだが、この少女の場合はそのような処置的なものは何もされていない。心臓や肺に血液まで残っているそうだ。

標高6723mという環境の成せる技なのであろう、彼女は凍結していたのだ。肌なんか「ふっくらしている」というミイラに使われるはずのない形容詞が思い浮かぶ。

2.ベルナデッタ(フランス)

ベルナデッタ(フランス)

こちらは35歳の女性、ベルナデッタ・スビルー。亡くなってから100年以上経った現在は白骨化が進んでいるようだ。腐敗し始めてしまったので関係者曰く「表面に蝋を塗った」、要約すると「蝋で作ったマスクを被せた」らしい。

亡くなってから30年後に掘り起こした際には腐敗していなかったという、その後の調査で遺体が傷ついたりしてしまったそう。調査という名の墓荒らしはほどほどにしていただきたい。

3.ロザリア(シチリア島)

ロザリア(シチリア島)

最後は2歳の幼女、ロザリア・ロンバルド。現在最も「世界一美しいミイラ」という声が多いだろう。亡くなってから100年以上経っているというのにこの美しさ。眠っているようだし、なんなら著名な画家の絵画のようだ。

個人的には今世紀最大の驚きだった。

世界一美しいミイラそれぞれが持つ驚きのエピソード

「世界一美しいミイラ」といわれる彼女たち、もちろん「ミイラ」としての見た目からしても「美しい」のだが…それぞれが持つエピソードがまた興味をそそられるし美しさを感じる。

「世界一」を判断するにあたってその辺りも知っておきたい。

ドンセラは生贄として神にその命を捧げた少女たち

まずはアンデス、ユヤイヤコ山の山頂で発見された15歳の少女ドンセラ。実はここで発見されたミイラは彼女だけではなかった、6~7歳の男女1人ずつと共に「生贄」として神に捧げられたのだ。今でこそ「生贄」なんて忌まわしき言葉のようだが、インカ帝国の時代にはそういった儀式は珍しくなかった。

ドンセラという名前はミイラとなった少女を調べた研究チームがつけたもので、スペイン語で「乙女」という意味だそう。

そして研究結果によるとドンセラは野菜中心の食生活を送っていた農民の少女、亡くなる1年ほど前から動物性たんぱく質など栄養価の高い特別な食事を用意されていた。これは他の2人の子どもとは違い、最年長のドンセラだけのようだ。

しかし3人共に共通しているのが「薬物と酒」、コカの葉とチチャと呼ばれるトウモロコシからつくられた酒を与えられていた事だ。子どもにそんなものを!と現代の日本ならまず考えられない炎上案件だが、これは現代の話でも日本の話でもない。

このような儀式や文化、失われて当然の忌まわしき風習だと考える方も少なくないだろうが、科学の発展していなかったこの時代、人間が神に祈り小さき命にそれを託したのだ。そして少女たちもまた、大切な人を想い、託されたのがいかに辛く悲しい役割だろうとこんなにも立派にその務めを果たしたのだ。

「精一杯生きた」その命の短さと儚さはまさに「美しい」と言えるのではないだろうか。

ベルナデッタは奇跡の泉の発見者である修道女

フランスのベルナデッタ・スビルーは修道女であった。物語のお姫様のように苦労して育ったベルナデッタの人生は14歳で転機を迎える事になる。その転機というのは「聖母との出会い」だ。

妹と遊んでいたベルナデッタは神々しい光に包まれた女性の姿を目撃する。

それから何度も目撃する事になるその女性こそが「聖母」だったのではないかと言われている。何度も「聖母」に会ったおかげなのかそもそも彼女自身が持って生まれたものなのかはわからないが、ベルナデッタは学はないがとても聡明な女性へと成長を遂げていった。

そして最終的には「奇跡の泉」を発見するに至るのだ。その後も修道女となり神に仕えていた彼女の肉体は、朽ち果てる事なく美しいミイラとして発見された。

確かに2021年の現在では白骨化も進んでいて蝋のマスクを被せられた状態だというが、亡くなってから掘り起こされるまでの30年間で腐敗していなかったというのだからもう十二分に奇跡なのだ。

信心深い彼女の美しさが起こした奇跡だ。

ベルナデッタのミイラ:現在もルルドの奇跡に惹かれる巡礼者が絶えず

 

ロザリアは瞬きをする!?

イタリアのロザリア・ロンバルドはたった2歳でこの世を去った。わずか2歳で亡くなったロザリアは、所謂「富裕層」の子どもだったと思われる。

2歳というかわいい盛りに我が子が亡くなってしまったら…その両親の悲しみは計り知れない。それはそうだろうと思う、立ち直れないかもしれない。何もしたくない何も見たくない何も聞きたくない、わかる。

だがしかし!よし、遺体を保存しよう、というのはちょっと。

しかもこれがまた、著名人などの遺体防腐処理をしていたという著名な医師に頼み込んだという話だ。セレブの遺体を扱うセレブな医師に頼む、それはおそらく金額的にもセレブな数字になると思う。娘の死を嘆き悲しむとはいえ誰にでも出せる金額ではないだろうし、そもそもその医師まで繋がるコネクションなんかも希少な人脈のように思う。

だがやはり「我が子の為なら何でもしたい」という親の愛情は「美しい」し、そんな桁違いの愛情を受けてきたからこそミイラとなった今でもなおロザリアはこんなにも可憐さを残しているのかもしれない。そして彼女はなんと…

ロザリアは瞬きをする!?

瞬きをするという。何度でも言おう、どんなに美しかろうが「ミイラ」だ。100年以上前に亡くなった幼女だ。だがこの瞬き、実際生きているようにしか見えない。

そしてこれだけ科学の発展している現代でもこの謎は解かれていない。「光の当たり方などでそう映ってるだけ」という説が有力なようだが、これだけ美しい状態で残っているのだからその時点で「奇跡」だ。

瞬きだって「奇跡」が成せる技だと信じてみるのも悪くないのではないだろうか。

個人的「世界一美しいミイラ」はドンセラ

さて、各々の「世界一美しいミイラ」は決まっただろうか?

個人的にはドンセラとロザリアでかなり悩んだ、実際2日間ほど悩んだ。見た目の美しさと「瞬きをする」という点から、ロザリアが一番という意見が多いだろう、異議はない。だがどうしても…その幼き体で人々を救おうと想った、神にその命を捧げる事を受け入れた、その心の美しさを想うと私はドンセラこそが「世界一美しいミイラ」だと言いたい。言わずにはいられない。

科学の恩恵を受け幸せな現代社会で何不自由なく暮らしている私ができるのはそれぐらいしかないのだから。何にしたって、「ミイラ」と聞くとなんだがこわいイメージを持ってしまいがちだったが、本当に興味深かった。

どのミイラにも歴史があって、そこにはやっぱり「人生」があって、「人が1人亡くなった。」「ミイラが1体見つかった。」の一言ではわからないものがそれぞれたくさんあるのだ。今後どれだけミイラに関わる情報に触れる事があるのかわからないが、今までとは違った気持ちを持てるようになった気がする。

 

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