一時期「結婚できない男」というドラマが一世を風靡しましたが、あのドラマは最近の傾向を極端に描写したものでした。
容姿は普通以上で稼ぎも多いのに結婚できないという内容で、阿部寛さん演じる主人公は「結婚できないわけじゃない、結婚したくないのだ!」と強弁していました。
視聴者から見ると「たんなる我儘(わがまま)なのでは?」と映りました。しかし現実の40代独身男性を見ると、そんなドラマとは全く違った様子が見えてきます。
そこで今まさに40代独身で焦っているかもしれない男性の現実と、そこから考えられる問題点や、脱出する方法などを極めて現実的な視点で解説していきます。
記事の内容
- 40代独身男性の孤独と実態
- 40代独身バツイチ男性
- 独身であり続けた男性
- 独身40代男性の孤独さは異常
- なぜ悲惨なのか
- 既婚者が思う「一生独身男はずるい」という幻想
- 40代の独身男性の孤独:どう生活し、耐えているのか
- 生き方は2つのタイプに分かれる
- 休日は寂しい
- 常に付きまとう孤独
- 生きがいは何か?
- 40代独身男性の孤独からの脱出
- 独身から脱出できる可能性
- 捨て去るべき理想と幻想
- やがて待ち受ける最後
- 総括
執筆:KOJI
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40代独身男性の孤独と実態
40代独身男性といっても大きく2つのグループに分けることが出来ます。1つは「それまで一度も結婚をしたことがない男性」で、もう1つは「過去に結婚歴のある男性」すなわちバツイチです。
40代独身男性でもこの2つでは人生のバックボーンも大きく違い、一括りには出来づらいものなので、まずはこの2つのグループごとの実態を考えることから始めましょう。
さらには彼らの考え方や行動についても解説します。
40代独身バツイチ男性
最近は3組に1組は離婚しているといわれますが、離婚経験のある独身男性は40代前半で4.7%、40代後半で6.3%と、およそ20人に1人がそうした男性です。離婚の理由は様々なので全てを一括りにして語ることはできません。しかし離婚は結婚より多くのエネルギーが削がれる「負の一大イベント」なので、その経験を引きずる男性が多い傾向にあります。
これを多いとみるか少ないとみるかによって変わりますが、バツイチ40代男性の5人に1人が再婚しています。残りの8割ほどは再婚していないか、したくても出来ない状態です。もちろん養育費など経済的な事情によって再婚できない方もいるのですが、残酷な現実として年齢を重ねるごとに結婚への道はハードルが上がってしまいます。
また当の本人が「離婚=失敗」という経験から恋愛や再婚に消極的になってしまうケースも多く見られますし、十人十色というのが40代バツイチ男性と言えるでしょう。
独身であり続けた男性
晩婚化と言われて久しい日本ですが、それは単に初婚年齢が上がっているだけではなく、婚姻率の低下という結果を招いています。人生で一度も結婚していない人の割合を「生涯未婚率」と言いますが、1980年までは常に3%未満で100人のうち97人以上が結婚していました。それが1990年代以降右肩上がりに上がり、2015年には23.4%つまりほぼ4人に1人が結婚したことがない男性なのです。
これらの男性は基本的に恋愛経験も少ない傾向が強く、困ったことに「どうしたら女性とお付き合いできるか」という段階から立ち止まってしまい、願望はあるものの素直になれないという、傍から見るともどかしい男性たちです。
独身40代男性の孤独さは異常
独身男性といっても年齢によって孤独の感じ方は大きく違ってきます。当たり前のことですが、周りに同じような境遇の男性が多いほど気にならないもので、20代であれば独身者のほうが多数派なので、むしろ「自分は普通」だと思えるでしょう。
しかし30代前半で約50%、30代後半で60%以上が独身を卒業しているので、本来はその辺で焦りを感じなければいけないはずが、男性は女性と比較して「そう思う」時期が手遅れになる傾向が強いと言われています。
そしてなんとなく恐れていた現実に気が付き、焦っても状況が好転しづらくなるのが40代独身男性の大きな特徴です。つまり「40代独身男性」という自分を直視せざるを得なくなる年代とも言えます。しかも結婚している友人たちとは生活リズムも習慣も異なり、疎遠になっていることが多く、それがより一層の孤独感を生んでしまいます。
なぜ悲惨なのか
「悲惨」とは「見聞きに耐えられないほど痛ましいさま」という意味で、基本的に周囲から評価されることです。
30代までであれば「いずれ結婚できる」という発言も現実味があるのですが、40代となると周囲はおろか本人すら疑問を抱き始めます。
しかし、ついつい強がってしまう様は「悲惨」そのもの言えます。
既婚者が思う「一生独身男はずるい」という幻想
多くのお人は「無い物強請り(ないものねだり)」という習性があり、自分に無いものを羨ましがる傾向があります。既婚男性から見ると独身男性は自由気ままに生き、お金の自由もきき、自分に無いものをすべて持っているように思えてしまいます。
しかしそう思えてしまうのは「40代独身男性」に対する都合の良い面しか見えていないのです。先ほども説明したとおり「悲惨」なことが多く、それにもかかわらず強がりなのか「そうだね、自由でホント楽しいよ」と言ってしまうあたり、心の荒んでいる様が見て取れるようです。
確かに「誰にも縛られない」という点については疑いようがない事実ですが、その一方で人知れず「こんなはずじゃなかった」とか「この先の人生、どうなるのだろう」といった不安によって自分自身で縛り付けられているのが「40代独身男性」の真の姿なのです。
40代の独身男性の孤独:どう生活し、耐えているのか
独身状態も40代ともなれば感じる孤独感もかなりのものがあり、だいたいは日々ネガティブなことを考えがちになってしまうものです。
そんな40代独身男性はどんな暮らしをし、どんな休日を過ごし、そして何に生きがいを見出しているのでしょうか。
彼らの日常と、そこから垣間見える正直な心境の数々を見ていきましょう。
生き方は2つのタイプに分かれる
40代男性で独身ともなれば2つのタイプに分かれています。一つは「まだまだ結婚を諦めていない」もしくは「過去に彼女がいたからまだ可能性がある」と思い込んでいるタイプです。実は全員がそうではないにしても、見ていて”痛い”ことが多いタイプです。
このような人に限って、若い子を追い求めていたり、容姿やスタイルを重視していたり、すでに老いている自分を客観視できない「とても残念な人」です。言ってみれば「過去に生きているタイプ」でしょう。
しかし勘違いしているからこそ、比較的行動的かつ積極的な人が多く、残念ながら周囲が迷惑していることなど気にも留めていません。もし友人にそんな人がいたら傷つかないように伝えてあげましょう。「見ていて痛々しいよ」と。
もう一つのタイプは、女性経験が乏しいか全くないタイプで、40代にして人生を悟ったかのような諦めを決め込んでいる人たちです。先ほどのタイプと違い他人には迷惑をかけないのですが、一緒にいると「滲み出るネガティブさ」で周囲を不快にさせてしまいます。こちらは「達観・悟りタイプ」という分類になります。
とにかく自分に自信がなく、常に受け身であるばかりか、口をついて出てくる言葉と言えば皮肉か責任転嫁です。もし、自分がどちらかに当てはまっていたら、これらとは別の生き方を考えたほうが良いでしょう。
休日は寂しい
一概には言えませんが、こんな「40代独身男性」はどのような休日を過ごしているのでしょうか。
ある調査によると「休日は一人で過ごす」という独身男性が8割以上となっていて、さらに「外出せず家で過ごす」も全体の6割になります。
これから分かることは、会う人もなくリフレッシュするようなアクティブさもない40代独身男性の休日です。
外出せず何をしているかというと「睡眠」「ネットやSNS」「テレビを見ている」といった、どちらかというと内向的なものばかりです。
孤独や寂しさを実感しているなら休日の過ごし方も見直したほうが良いでしょう。40代ともなれば1週間働いた後の休日に行動するのは、体力的にもきつくなってきますが、出会いを求めたり体を動かしたり、積極的に現状を変える努力が必要なのです。
常に付きまとう孤独
孤独を感じる理由はひとそれぞれですが、基本的には共感を得られない状態で感じるものです。共感を得られるためには誰かの存在が必要なので、40代独身男性はその条件から自然と外れがちになってしまいます。
しかも、それに実感し始めている「体力の衰え」も相まって、これまで経験したことがないような孤独を感じがちです。これらのマイナス要素は常に意識せざるをえないことも非常な苦痛です。そして思うのです。「こんなはずじゃなかった」と。
生きがいは何か?
孤独で惨めで、一見なんの楽しみもなさそうな40代独身男性ですが、まるで生きがいがないかと言えばそうでもない・・・こともあります。「生きがいとは」生きていく上でのはりあいであり、生きるための価値そのものです。なかには仕事に生きがいを感じている方もいるでしょうが、果たして人生最後の瞬間にどう感じるでしょうか。
40代ともなれば人生の後半になっているので、むりやり感じようとしている「生きがい」ではなく、終わりのときにどう思うだろうかを想像しながら考えるべきです。
40代独身男性の孤独からの脱出
「このまま朽ち果ててしまうのか」と諦めにも似た心境になりがちな40代独身男性ですが、そこから抜け出すためには何をどうすれば良いのでしょうか。
統計から見えてくる可能性と、やるべきことについて解説します。
独身から脱出できる可能性
40代独身男性が結婚できる可能性はどの程度あるのでしょうか。これについてはネット上で様々な数字が出ていますが、実は数字の扱い方を間違ったものも多いのが現実です。
まず前提条件として、「婚活やパートナー探しに積極的」な40代独身男性と、何の努力もしていない人では断然話は変わってきます。
まず全体の話をすると2010年に40歳独身だった男性が、2015年の45歳時点でどれくらい結婚していたか実数で比較すると、約12.3%が独身から抜け出すことに成功しています。しかしこれは何も努力していない人も含めた数字です。
これが積極的に活動した方を対象にした三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査では、「婚活サービスで知り合った人と結婚(婚約中)」が24.4%、「婚活サービス以外で知り合った人と結婚(婚約中)」が17.1%と、合計41.5%の人が婚活に成功しているのです。
可能性半数以下とはいえ、何かしらの活動や努力をすることで孤独な独身生活から脱出できるのです。
捨て去るべき理想と幻想
40代独身男性のなかで「どうしてあの人は結婚できないのだろう」と不思議がられる人がいます。そしてこの手のタイプは先ほど解説した「過去に生きるタイプ」と多くの共通点が見られるのです。
男の悲しい性ともいえますが、40代にもなって「若い彼女が欲しい」と思っていて、しかも自分のことを「周りの40代より若い容姿だ」と考えています。
悲しい現実ですが、20代の女性から見たら「オジサン」なのです。このタイプの男性は自分でも気が付かないあいだに婚期を逃していることが多く、また女性のように「今の自分に合わせて理想の相手を変える」ということも出来ないので、困ったものです。
このような40代独身男性には自分を冷静に分析できる思考と、それを分かったうえで理想を追い求めすぎない心境の変化が必要なのです。
やがて待ち受ける最後
40代独身男性が何も努力せず、そのまま年齢を重ねていった先には、けっして幸せではない未来が待ち受けています。すでに中高年の独身男性に関する健康問題は欧米では社会問題としてとらえられており、2018年1月にはイギリスで「孤独担当大臣」というポストが新設されて話題になりました。
日本でも独身男性の寿命が男性全体の平均を下回っていて、死亡年齢の中央値を見ると男性トータルで約81歳なのが、生涯未婚の独身男性で約66歳、離別した独身男性で約72歳という結果です。
多くの研究で「独身による孤独」がうつ病や、心臓病や認知症などを含む精神的・肉体的な病気のリスクを高めると結論付けていて、これらによって早死になると考えられます。
最低限の努力
40代の孤独に打ちひしがれる前に、「最低限の努力をしているかどうか」を自問自答してみましょう。あなたは、孤独から脱却するための努力を本当にしているでしょうか。
例えば、ハッピーメールやPCMAXというマッチングサイトには年齢を問わず「寂しい」「友達が欲しい」「パートナーに出会いたい」と訴える異性が山ほど存在します。つまり、ほんの少しアクションを起こすだけでこうした人たちと繋がることができるため、意外と簡単に孤独から脱出することが可能なのです。
ただひとり、部屋の中で寂しさを誤魔化していても状況が変わることはありません。面倒くさがらずに一歩を踏み出す、挑戦すべき時は今なのです。
総括:40代独身男性の孤独=悲惨な人生にならないために
人生ではいろいろなことが「思い立ったとき」始めなければなりません。その中でも独身と孤独の問題は、40代独身男性にとって一刻も早く考えなければならない大問題です。じきにやってくる50代60代と先に進むにつれ「健康的」「精神的」なリスクが大きくなります。
真の手遅れになる前に、今の自分と将来のことについて真剣に考えることを強くお勧めします。