40代を含む、結婚してから20年以上たっての離婚を「熟年離婚」という。これまでは、結婚して5年以内の若い夫婦が離婚する率が高かったが、近年この「熟年離婚」が5年以内の若い夫婦の離婚と双璧をなすようになってきた。
結婚して5年後から20年後までの離婚率が高くないのは、子育ての期間だからなのだろう。子育てが一段落し、夫婦としてお互いを見つめ直した結果「離婚」というのは残念な結果ではあるが、結婚した夫婦のうち1/3は離婚するというデータを見ると、熟年離婚は結婚しているどの夫婦にも起こり得る事である。
「失ってわかる大切さ」という言葉があるが、離婚を表す為にこの言葉があるのではないかと思うくらいぴったりくる。離婚して一人になった人達は、この言葉が身に沁みているだろう。そして今まさに孤独を感じているに違いない。
それでも、毎日を暮らしていかなければならないのだ。今回は、おそらく最も離婚後の孤独を感じる世代である「40代の離婚と味わう孤独」について考えてみたいと思う。
記事の内容
- 40代で離婚の孤独:要因となる理由5つ
①相手が家にいるだけで嫌だ
②価値観・性格の不一致
③お互いの異性問題
④DV・モラハラなど
⑤相手の親の介護をしたくない - 「離婚してよかった!」と思うのは妻側が多い
- 40代の離婚は孤独:妻も子供も去った後、夫の一人暮らしが始まる
- 離婚して良かったと思っている男性は孤独にならずに済む
- 離婚したその後=新たな出会いも!
- 勇気を出して行動すべき
- 40代の離婚は孤独そのもの=行動しよう
- 総括
執筆:TANO
出会いのススメ:行動すれば世界は変わる!
40代の離婚は孤独:要因となる理由5つ
40代を含む「熟年離婚」の理由はさまざまである。結婚して20年以上も生活を共にしていたのだ。離婚の理由は1つではないし、言葉で表現出来ない気持ちが離婚の後押しになっている場合もある。ここでいくつか離婚に至る理由を挙げてみよう。
- 相手が家にいるだけで嫌だ
- 価値観・性格の不一致
- お互いの異性問題
- DV・モラハラなど
- 相手の親の介護をしたくない
①相手が家にいるだけで嫌だ
身も蓋もないが、これを理由にしている人は意外と多い。「加齢臭が嫌だ」や「トイレに入ってほしくない」や「ソファでごろごろしている所を見るだけでイライラする」や「会話が成り立たない」や「食事の仕方が気に入らない」などの細かな理由の集合体が「相手が家にいるだけで嫌だ」なのだろう。
この理由は妻側に圧倒的に多く見受けられる。長い時間家にいるのは妻の方なので、夫がいない間ののびのびした気持ちと、夫が帰宅した後の落差が激しいのである。
夫はその事に気付かないかも知れないが、このような毎日の積み重ねの中で、妻は「子供が一人前になったら離婚」と腹を決め、着々と準備を進めていたりするのである。
「亭主元気で留守がいい」とはよく言ったものである。この言葉が流行った頃は離婚件数も現在ほど多くはなかったので、冗談のような、愚痴のような感じで流していたが、現代では「亭主が家にいるのが嫌だから離婚」となってしまった。
細かな理由を看過出来ないくらいに愛情がなくなってしまった所に大きな原因がある。
②価値観・性格の不一致
価値観も性格も不一致は当たり前である。全く同じであればそれは「自分」であり、同じ価値観や性格を求めるのは自己愛に近い。なので、「どこまで違いを受け入れられるか」という事になるのだろうが、結婚前や結婚して数年の間は、わりと我慢して受け入れてしまうものだ。
周囲は「合わないと思うよ」と助言しても、その時はうまくやっていけると思ってしまうのだ。それは仕方のない事である。先の事など誰も分からないのだから。劇的に価値観が変わってお互いうまくいくかもしれないし、性格が合わなくても愛情が勝って一生我慢出来るのかもしれない。離婚件数が少なかった頃は「一生我慢」の一択だったものが、今は「一生我慢」か「離婚」の二択になっている。
この二択であれば離婚を選ぶ人が増えるのも致し方ない事であろう。
③お互いの異性問題
近年離婚の理由として浮上しているのがこの理由である。相模ゴム工業株式会社の調査によれば、既婚40代の30%以上の男性が、また女性は約20%が不倫をしている、という結果になっている。
どこからが浮気、または不倫かという線引きは個々によって違うと思うが、特筆すべきは「不倫や浮気にそれほど罪悪感がない」という事である。確かにテレビドラマや映画でも不倫のネタは頻繁に出てくるし、芸能人も不倫の話には事欠かないし、出会い系や既婚者限定のサークルなど、浮気や不倫を応援してくれるものばかりが賑わっているようである。
浮気や不倫が非常に身近になっているがゆえに、例えば夫婦喧嘩をしている間など、「きちんと家に帰るのがバカバカしい」という気持ちになった時に、他の相手を手軽に見つける事で現実逃避が出来てしまうのだ。
これでは夫婦でお互いを見つめ直す、などという空気になるわけがない。
④DV・モラハラなど
これも近年の離婚理由として多く挙げられるものである。実際には40代の人達の親の世代からDVに該当する事、モラハラに該当することは多く存在していた。自分達の親を見ていて、「DVやモラハラに当てはまっていたなぁ」と思う人は多いはずである。
ただこれも、昔は離婚という選択がしにくい時代だった為、主に母親がひたすらに耐えていたと思われる。今は昔と違うので、DVやモラハラが理由であれば迷うことなく離婚するのが良いだろう。
DVやモラハラは夫が「全くそんなつもりではなかった」という事も多い。妻側もDVやモラハラのハードルが下がり、過剰に反応してしまう傾向が無きにしもあらず、である。
この理由の場合は、迷うことなく離婚した方が良いのだが、意外と離婚した後に「言い過ぎた」や「もう少し話し合っても良かったのかも」など、少し後悔してしまう理由でもある。
ただ、真性のDVであれば振り返ってはいけない。決断しなければ同じ事の繰り返しだったに違いない。離婚できて良かったと思うべきだろう。
⑤相手の親の介護をしたくない
40代になると、介護の問題がクローズアップされてくる。家長制度などもはや崩壊していると言って良いと思うが、こんな時には「長男だから」となってしまうのだ。
相手の親と結婚当時からうまくやってきている場合は別かもしれないが、舅や姑と仲が良くないにも関わらず、「長男の嫁」という事で未来の介護が約束されている場合は、離婚したいと思うのも無理はないのかもしれない。
介護はきれい事では済まない。同居しなくてはならなくなるかも知れない。それだけでもかなりキツい。現在同居していなければなおさら、子供たちが独立した後に年老いた夫の両親を迎え入れて自分たち夫婦と4人で生活するなど、考えただけで気が重くなるだろう。そこに介護が付いてくるとなるとさらに状況は厳しい。
天秤にかけるのは、夫への愛情だけだ。「愛する夫の両親だから同居を受け入れ介護する」か、「そんな生活をやっていける自信はないから離婚する」か……あなたは妻の天秤にかけられる自信があるだろうか。
「離婚してよかった!」と思うのは妻側が多い
「離婚してよかった」と思う妻が多いのは、近年離婚を切り出すのが妻側である事が多い、というのが理由にあるだろう。
一般に夫より妻の方が収入が低い。昔であればその事が、妻側から離婚を切り出せない理由にもなっていたが、今は違う。
妻はその場の勢いで離婚を決めたりしない。何しろ子育て中なのだ。子供にも自分にも出来るだけ有利に離婚を進めたい。
数年後を見据え、働き始めたり「へそくり」を着実に増やしたりと周到に準備を進めている。離婚までの数年間のモチベーションになっているのが、日々の細かい不満である。こうなってくると全ての嫌な事が、来たるべきXデーに向けての肥やしになるだけだ。
今まで夫に指摘していた事を、しなくなる。夫は「妻は最近口うるさくなくなった」とホッとしているかも知れない。水面下で起きていることに気付きもせず。
このような我慢の時が過ぎ、離婚が成立すれば妻側が晴れやかなのは当然の事である。あまりに鮮やかな離婚へのステップと、妻の晴れやかな表情を見た時から、夫の孤独が始まる。
40代の離婚は孤独:妻も子供も去った後、夫の一人暮らしが始まる
これまで、子供も含めて3人ないし4人で暮らしていた我が家は、一人暮らしには広すぎるだろう。妻側から離婚を切り出した以上、妻と子供が出ていく事になるパターンがほとんどである。せっかく購入したマンションや一軒家は、おいそれと売りには出せない。仕方なくそのままそこに暮らすことになる。
子供達や妻がいた時の明るさやぬくもりはもうない。しんとした家の中に一人でいれば孤独を感じるのも無理はない。そして嫌でも自分と向き合う時間が出来る。
「なぜこうなってしまったのか」
自分がしでかした不倫がきっかけであればまだ納得がいくだろう。しかし、妻の気持ちに無頓着だった事で事態の深刻さに気付かないまま、妻側に押し切られる形で離婚した人は、よもやこんな一人暮らしが待っているとは思わず、ただただ寂しいのではないだろうか。家事もこれまで妻任せで、いざ自分でやろうとしても妻には到底かなわず、家の中も汚れていくだろう。
寂しさと虚しさの果てに心の病を発症する人もいるので気を付けなければならない。寂しさと虚しさにどっぷり浸かっていても、事態は何も変わらない。いつまで落ち込んでいても、以前の生活が戻ってくるわけではない。もう離婚は成立してしまったのだ。
離婚など「別れ」というものに際しては、男性の方がわりと未練があったり、長く思いを引きずってしまう傾向があるようだ。女性の方が切り替えは早い。特に子供がいての離婚の場合は、やる事が山積みで切り替えざるを得ない。
別れた妻や子供たちに「いつまで女々しくしてるの?」などと言われてしまわないように、どこかで発想の転換を試みる必要があるだろう。「別れなければ良かったかも!」と元妻に思わせるくらいのナイスガイを目指すのも良いのではないか。
離婚して良かったと思っている男性は孤独にならずに済む
もちろん、「離婚してよかった」と思っている男性もいる。何しろ「責任」から解放される。家族の為に少しでも高い給料が欲しいとあくせく働く必要もないのだ。
自分だけの生活なら、会社など嫌であれば辞めても良い。子供は可愛いが、独り立ちするまでの責任を考えると、ふと逃げたくなる時もあっただろうし、妻のご機嫌を損ねないようにと、顔色をうかがう生活もしなくて良いのだ。
妻もそうだろうが、夫にも「自由」が手に入るのだ。次こそ「運命の出会い」をするぞ!と心に決める男性もいるだろう。自分で使えるお金も増えるので、趣味に興じる男性もいるだろう。家族がいる事で諦めていた夢などもあるかも知れない。
物事は何でも「良い面だけ」「悪い面だけ」という事はない。両方持ち合わせているのだ。自分の見方を変えれば明るい材料になる。
離婚したその後=新たな出会いも!
近年、40代の再婚率が上がっているという。40代で結婚した人の総数からすると、再婚の割合が半分に迫る勢いで伸びてきている。
今は婚活サイトなども多くある為、出会いを求めればそれなりに出会える環境なのだろう。
「もう結婚はこりごりだ」と思う人もいるかも知れないが、やはり老後が視野に入ってくる40代ともなると、連れ添う人は欲しい、と思うのかもしれない。
人生100年とも言われるこの時代、40代はまだまだこれからである。出会えるチャンスがあるならば、「今度こそは」という気概で臨むのも悪くないだろう。
参照:平成26年度人口動態調査・プライダルタイムスにより再構成されたもの
勇気を出して行動すべき
どんな人であっても離婚したくてそうなったわけではないだろう。様々な不可抗力が働き、そうした結果にならざるを得なかった人が大半だと思う。ただ、ここで下を向いていても孤独から脱却することはできず、永遠と寂しい世界は続いてしまうわけだ。
そうならないためにも、可能な限り早い段階で「新たな出会い」を求め行動することが大切だと思う。たとえバツイチであっても死別であっても新しい出会いを求めることは良いことであり、決して悪ではないのだ。
次の記事、【マッチングサイト・アプリの出会い:お勧め比較ランキング】で紹介しているサイトを活用し、新しい一歩を踏み出してほしいと切に願う。
ほんの少しの行動で、孤独な世界は一変すると理解しておこう。
総括:40代の離婚は孤独そのもの=行動しよう
記事のポイントをまとめておこう。
40代の離婚の孤独について
40代の離婚の理由
- 相手に興味や愛情がなくなった
- 義両親の介護の問題
- 浮気・不倫
- DV・モラハラ
離婚して良かったと思うのは妻側である
- 昔と違い、今は妻側にも収入があり離婚を選択しやすい
- 夫の世話から解放される
- 自由が手に入る
夫は一人取り残され、孤独を味わう
- 妻と子が出ていった家は寂しすぎる
- 世話をしてくれる妻がいないので家の中が汚れる
- 「なんでこうなったのか」と後ろ向きに考えがち
離婚して良かった男性もいる
- 自由になる時間とお金が増える
- 責任から解放される
離婚した後は再婚に向けて始動
- 40代の再婚率が上がっている
- 「次こそ失敗しないぞ」という気概がある
勇気を出して行動しよう
昨今は、昔ほど離婚についてあれこれ言われなくなっている。人生100年時代と言われる今、40代はまだ半分も生きていないことになる。結婚した事が本当に間違いだと思うなら、離婚に躊躇する事はない。
ただ、離婚と離婚後の孤独感はセットである事は間違いない。離婚後、どんなに気分がすっきりしても、すれ違う家族連れなどを見た時に、かつて仲睦まじかった頃を思い出し、孤独感を味わう事は必ずある。
今回、あえて子供については触れていない。夫婦の選択の中に子供を入れると純粋な夫婦の選択が出来なくなるからだ。
「本当は別れたいと思っているが、子供の事を考えると別れるわけにも…」これを聞いて子供が「僕たちの事を考えてくれているんだ~!」などと思うだろうか。いや、離婚する勇気がない事を子供の理由にすり替えている、と思われても仕方ないだろう。
「両親揃っていて子供は2人、という家族構成がスタンダード」という時代は過ぎ去っている。家族の形はさまざまだ。夫も妻も、「一生」というスパンで自分自身の人生の歩み方を考える、それが40代だ。そして、どんな選択をしても「それが正しかった」という結果にする為に日々邁進し、その姿を子供に見てもらう事が大切である。
離婚後の孤独を嘆いている暇はない。